PBXとは?
仕組みや主な機能、ビジネスフォンとの違いをわかりやすく解説

  • #クラウドPBX
  • #リモートワーク
  • #設計構築
  • #運用監視
  • #電話交換機

2024年10月1日

オフィスや企業の通信インフラとして、電話システムは重要な役割を果たします。その中でも、PBX(Private Branch Exchange)は、社内外の電話連絡を効率的に管理し、電話業務を支える重要なシステムです。

本記事では、PBXの基本的な仕組みや主要機能、活用方法を詳しく解説します。

また、ビジネスフォンとの違いや、PBXの導入に適している企業も紹介します。最適な通信環境を選ぶために、ぜひ参考にしてください。

資料ダウンロード

マルチベンダー/マルチキャリアの事業者が伝授

電話システム導入・運用ガイド

総務・IT部門に求められる役割と「やること」リスト

ダウンロード
https://mind.satori.site/download/column_pbx

PBXとは?

PBXとは、企業やオフィス内で使用される「電話交換機」のことを指します。PBXは、オフィス内に設置された複数の電話回線を集約し、外線と内線の接続や、内線同士の接続制御を行う役割を担います。そのため「主装置」と呼ばれることもあります。

従来の電話システムでは、各電話機に個別の外線回線を契約する必要がありました。しかし、PBXでは1つの電話番号を複数の回線に割り当てられます。そのため、PBXを導入することで、契約する回線数を減らし、通信コストを削減できます。

また、PBXは企業の電話業務に必要な保留や転送などのさまざまな機能を搭載しているため、オフィスの通信を一元管理する重要なインフラとなります。

PBXの仕組み

PBXでは、オフィス内のすべての電話機を物理的に接続・集約し、通話先の電話機を論理的に切り替えることで通話を制御します。例えば、内線電話をかける場合、2台の電話機は直接接続されておらず、PBXを経由して通話が行われています。

外部からの着信もPBXを経由して、指定された内線電話機に接続されます。このように、オフィス内の電話機をPBXに接続し、PBX経由で通話することで、1回線の契約で複数の電話機を使用できます。

さらに、PBXはオフィスの通話ニーズに合わせて柔軟に設定を変更できます。例えば、営業時間外には自動的に電話をボイスメールに転送したり、特定の部門にだけ通話を優先的につないだりすることも可能です。

PBXとビジネスフォンの違い

PBXとビジネスフォンは、どちらも企業の電話業務で導入する製品です。混同されがちな両者ですが、一番の大きな違いは対象企業と導入規模です。

ビジネスフォンは、主に中・小規模の組織に最適の電話システムです。数台から数十台程度の電話機を接続するのに適しています。

一方PBXは、より大規模な組織での使用を前提に設計されています。数十台から数千台の電話機を接続することができ、複数の拠点やオフィス間での統合管理が可能です。

PBXの主な機能

PBXには多くの機能が搭載されており、それぞれの機能が企業の電話システムを支えています。ここではPBXの主な機能を解説します。

発着信の制御機能

PBXは、契約している回線の電話番号を親番号(代表番号)として、PBXに接続されている電話機に子番号を割り振ることができます。そのため、同じ回線で異なる電話番号を使用でき、業務の効率化や柔軟な運用が可能です。

外線着信時には、まず親番号が電話を受け、自動的に適切な子番号に振り分けられます。部門や社員ごとに受ける電話が異なる場合にも便利です。

内線同士の通話機能

同じPBXに接続された電話機間の通話では内線通話ができます。内線通話では、通話料がかかりません。特に大規模なオフィスや複数の拠点を持つ企業で役立ちます。

他の電話機への転送機能

転送機能は、通信を受けた電話機が不在中や通話中の際に、他の電話機やモバイル端末に転送する機能です。不在転送や話中転送、応答遅延転送、着信選択転送、圏外転送など、さまざまな状況に対応する機能が備わっています。

特定の時間帯や条件に応じて、転送先を変更することもできるため、顧客との連絡を円滑に進められます。

パーク保留機能

パーク保留機能は、PBXに接続されたどの電話機からでも、保留中の電話を受けられるようにする機能です。例えば、受付担当が受けた電話を保留にして、担当者が自分のデスクから応答するといった使い方ができます。

電話の引き継ぎがスムーズになることで、業務の効率化と顧客対応の迅速化が図れます。

代表番号着信機能

代表番号着信機能は、代表番号への着信をあらかじめ設定したルールや優先順位に基づいて内線電話機に振り分ける機能です。

例えば、営業時間帯は営業部に、営業時間外は留守番電話に転送するなど、時間帯に応じた設定が可能です。また、特定発信者からの電話を優先して特定の担当者への転送もできます。

着信者が応答できなかった場合は、自動的に次の優先順位の内線に転送されます。そのため、通話対応の負荷を分散させるような目的でも活用できます。

PBXの種類

PBXには、クラウドPBXとオンプレミスPBXがあります。また、上記のクラウドPBXとオンプレミスPBXを組み合わせたハイブリッド型も展開されています。

項目 クラウドPBX オンプレミスPBX ハイブリッド
システム形態 クラウド型 オンプレミス型 クラウド型
オンプレミス型
利用可能拠点数 無制限 制限あり 無制限
初期費用 安い 高い 高い
運用コスト サービスの利用料 メンテナンス費用 サービスの利用料
メンテナンス費用
導入までの期間 短期間 長期間 長期間
メンテナンス サービス提供者 自社 サービス提供者
自社
音質 良好 良好 良好
その他 インターネット環境が必要 物理的な設置スペースが必要 2つのPBXを適切に連携させる必要がある

それぞれのPBXの特徴を詳しく紹介します。

クラウドPBX

クラウドPBXは、インターネットを通じてクラウド上で提供されるサービスです。

物理的な機器の設置が不要なため、導入スピードが速く、工事費などの初期費用を抑えて導入できます。インターネット接続さえあれば、いつでもどこでもアクセスできるため、リモートワークや外出先でも電話業務ができる点が大きな特徴です。

また、物理的な機器を導入しないため、メンテナンスや資産管理の手間がかかりません。サービス提供者により、自動的にアップデートされるため、常に最新機能を備えたPBXを利用できます。

ただし、通信の品質がインターネット環境に依存する点には注意が必要です。クラウドPBXについては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

クラウドPBXとは?主な機能や導入のメリット・デメリットを紹介

オンプレミスPBX

オンプレミスPBXは、電話線を使って通信システムを構築します。

物理的な機器をオフィスに設置するハードウェアタイプと、社内サーバーにソフトウェアをインストールして使用するソフトウェアタイプがあります。

オンプレミスPBXは、インターネット環境の影響を受けず、停電時でも使用可能です。また、通話内容をデジタルデータとして記録したり、ボイスデータを電子メールで送信したりする機能も搭載されています。

一方で、物理的な電話線や電話機をオフィス内に設置するため、設置コストが高く、拠点内でしか使用できないなどのデメリットがあります。

ハイブリッド

ハイブリッドは、クラウドPBXとオンプレミスPBXを組み合わせて運用するケースです。クラウドPBXの利便性と、オンプレミスPBXの安定性といった両者のメリットを活かして運用できます。

例えば、従業員に携帯電話を貸与している場合は、クラウドPBXのFMC機能にて、携帯電話を内線として利用できます。そうすることで、内線電話機の買い替えが不要となり、リプレース費用を削減できます。

ただし、2つのPBXを運用することになるため、その分コストがかさみます。また、クラウドPBXとオンプレミスPBXを適切に連携させて運用する必要があります。

PBXの導入効果が大きい企業・状況

ここでは、クラウドPBXを導入することによって、業務効率化や管理負担の軽減につながる企業や状況を解説します。

テレワークを実施している企業

テレワークを実施している企業には、特にクラウドPBXの導入がおすすめです。

テレワークを導入していても、旧来の電話システムを利用していることによって、結局電話応対のために出社しなければならないなどと、電話業務や電話応対に課題を感じている企業は多いです。

クラウドPBXを導入することで、スマートフォンを内線電話として利用できるようになります。テレワーク時でも、会社番号を使った電話応対が可能となり、電話応対のために出社する必要がなくなります。

また、メールやチャットでは細かいニュアンスが伝わりにくいこともあるでしょう。そうした突発的なケースでも、電話で柔軟に対応できるため、テレワーク全体の効率改善につながります。

固定電話の運用が複雑化・ブラックボックス化している企業

固定電話の運用が複雑化し、管理が難しくなっている場合も、クラウドPBXの導入は効果的です。

急激な事業拡大で統一的な電話システムを導入できず、拠点ごとにシステムや運用方法にバラつきがあると、運用・管理が非効率になり、余分なコストが発生する可能性があります。

クラウドPBXを導入することで、電話運用の手順を細かく設定し、作業の再現性を確保できます。また、全体の運用状況が把握しやすくなるため、管理の負担軽減や業務の効率化につながります。

当社の電話システム(PBX/クラウドPBX)構築・運用サービス

PBX導入時には、企業の状況やその後の展望まで含めて、電話システムを設計・構築する必要があります。そのため、システム構築や機器の導入は専門知識を持った企業に依頼するのもおすすめです。

当社は、電話システムの設計・構築から運用、監視保守までを一貫してサポートする「電話システム(PBX/クラウドPBX)構築・運用サービス」を提供しています。これにより、担当者や管理者の業務負担を軽減し、システム運用の属人化を防ぐことができます。

また、予算に応じたPBXや電話機のレンタルサービスも提供しており、企業の状況に応じた最適な電話システムを構築できます。多様な通信ニーズに対応するため、柔軟なカスタマイズも可能です。

システムのメンテナンスやトラブルシューティングにも対応しており、企業が安心して利用できる環境を提供します。当社は、企業の規模や業種に関わらず、信頼できるパートナーとして通信環境の改善を支援します。

「複数の電話システムの運用窓口を一本化!ブラックボックス化を解消しグループ各社の運用課題を解決」パーソルホールディングス株式会社様

まとめ

PBXは、電話システムの構築にとどまらず、企業のコミュニケーションインフラとして重要な役割を果たします。PBXにはさまざまな種類があり、最適なシステムを選ぶことが業務の効率化につながります。

PBXの選定に迷った際は、お気軽にお問い合わせください。企業の予算や既存システムとの連携を考えた上で、適材適所でベストな提案を行います。

また、以下の資料で、電話システムの検討から導入、運用までの各フェーズで役立つ情報を提供しています。自社に合うシステムの選定ポイントや導入・運用手順などを解説しているので、ぜひダウンロードしてご活用ください。

資料ダウンロード

マルチベンダー/マルチキャリアの事業者が伝授

電話システム導入・運用ガイド

総務・IT部門に求められる役割と「やること」リスト

ダウンロード
https://mind.satori.site/download/column_pbx

関連サービス