飛行機欠航・フライトキャンセル、振替便を掴まえよ!
~海外旅行でトラブルをくぐり抜ける(前編)
2024年9月20日
執筆:役員室 上田 雅章
円安も少し収まり、海外旅行を計画される方もいらっしゃるでしょう。
以前のコラムで、海外への個人旅行をお勧めしました。めったに遭遇するわけではありませんが、個人旅行で厄介なのが、搭乗予定便の欠航(フライトキャンセル)と預託手荷物の紛失(ロストバゲージ)の対応。
もしもの時に実際の事例を知っておくのも一考かと、私の体験を少しご紹介させていただきます。
SMSがドタバタの始まり
ある時、個人手配した海外旅行の中盤、某国の都市Ⓐから隣国の首都Ⓑへ昼過ぎ14時発の航空便で移動しようとしていました。早めにホテルを出てライドシェアで空港へ向かっている途中、スマホに突然SMSの着信。
搭乗予定のX航空からで、「あなたが搭乗予定のXX123便は、予定機材が悪天候のため到着できず、欠航となりました。30分以内に振替便を提案しますので少々お待ちください。なお以下の電話番号にお問い合わせいただくことも可能です。」
「あっちゃぁ~欠航!」妻にスマホを見せ、「代案出すって言っているけど、現地着は遅れるなあ」とぼやきます。
妻は用心深く、「飛行機1機分の座席の再手配ってそう簡単にできるのかしら?」と懐疑的。
妻の予感は当たり、ほぼ30分後に次のメッセージが・・・。
「お待たせし申し訳ありません。振替便について調整中です。以下の電話番号にお問い合わせいただくことも可能です。」
私と妻は確信しました。“これは自動応答”、“待っていても何も起こらない”、“要は電話かけてこいと言うこと”。
搭乗予定客の多くは、すぐさまスマホやPCを叩く、電話するなどあらゆる手段で振替便を確保しようと奮闘しているでしょう。英語での電話が面倒でSMSの応答を待ってしまった私、初動に失敗しました。
マネージャーを呼べ
そうこうしているうちに車は空港に到着。こうなったらX航空のチェックインカウンターで直談判することに。
X航空の担当者は、我々が便名を告げると澄ました顔で、「欠航便の対応はここではできない。この電話番号に電話して」とSMSに記載があったのと同じ電話番号を書いたカードを寄こします。「ここでやってよ」、「できない」の押し問答。
このような状態になっても引き下がってはだめで、“マネージャーを呼んでくれ”と主張します。こう言われてやっと担当者は、カウンターの端っこに座っている上長に声を掛けます。
そのマネージャーは、じっくり私たちの言い分を聞き、「最善の努力をしてみます」と予約端末を叩き始めました。 担当者はこちらが言わないと上長に相談をしません。私は海外のホテルや銀行などで同じような場面に遭遇しました。
強腰と涙目で、粘り勝ち
しかしマネージャーはあれこれ試すも首を振りながら、「申し訳ないが、今日の便は全く空いていない。明朝8時の便なら取れるけど」と。欠航通知から1時間以上を無駄にしており、同じ目的地へ向かう便は他社便も含め全て満席。
絶句する私と妻。マネージャーに「この街にもう一泊できない」、「今日中に向こうに着かないと困る」、「経由便でもいいから何とかならないか」、「プリーズ、プリーズ・・・」と私は強腰で、そして妻は涙目で迫り続けます。
マネージャーは端末を更に何度も叩いていましたが、ふぅっと口元を緩め、「経由便が見つかった。Y航空との共同運航便で待ち時間が長くなるが、乗るか?」
元々の便は、X航空:午後14時Ⓐ発-16時目的地Ⓑ着。
提案された便は、X航空:午後13時Ⓐ発-16時経由地Ⓣ着、Y航空:午後20時経由地Ⓣ発-21時目的地Ⓑ着。
5時間遅れ!それでも今日中に着ける。経由地の空港で晩御飯を食べておけば後はホテルに着いて寝るだけ。明日は朝から観光できる。妻と二人で「オフコース」と即答し、この経由便の発券を受けました。
すると横から別の担当者が、「あちらのお客様(現地の方のよう)が、XX123便の欠航についてご相談が・・・」と割り込みます。マネージャーは、「明日の8時まで無いと言って」とそっけなく返しました。
「粘ってよかった」私と妻は顔を見合わせました。
遅れても着けばこっちのもの
経由地Ⓣへの出発時刻は迫っており、慌てて2個のスーツケースを預け、保安検査場をくぐり抜け、搭乗ゲートから飛行機に飛び乗りました。
経由地に着くと、目的地行きY航空の便はまたまた悪天候で出発が1時間遅れ、21時Ⓣ発―22時目的地Ⓑ着になるとの案内。ほんとに飛ぶのかとヤキモキしながら、ビールとピザでお腹を満たしながら待つこと数時間。さらに遅れるも飛行機は飛び立ち、22時半に目的地Ⓑ空港に着陸しました。
やれやれ、預けたスーツケースをさっさと受け取って、ホテルへ着いたらシャワーを浴びて寝よう、とバゲージクレームのベルトコンベアの前に並びました。
さらなるドタバタは悪夢へ
しかし、その時私と妻はまだ気が付いていませんでした。ここまでの混乱はほんの序章でしかなかったと言うことに。
このドタバタは悪夢へ、そしてついに・・・。続きは次号にて、乞うご期待。
(つづく)
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