世界はスシにあふれてる!
~残暑を乗り切る“お寿司”のお話し~

執筆:役員室 上田 雅章

今年の夏、まさに地球沸騰化を実感中です。
減退する食欲をビールで誤魔化しながら過ごしてきましたが、まだまだ続く残暑、いったい何を食べましょうということで今回は暑くても食欲が湧く、“お寿司”をネタにしたお話です。

誤魔化されて、バッテラ

私が子供のころ回転寿司はまだ無く、子供が食べる寿司は、母の作るちらし寿司、いなりずし、海苔巻き。
まれに寿司もある和食屋に行くと、父は握り寿司を頼むも、「これは辛くて子供は食べられない」と言います。ネタをめくって淡緑色のワサビを「ほらね」とわざとらしく見せ、「うーん効く」と鼻をつまみます。
そして私にオーダーしてくれるのは、バッテラ。バッテラは白板昆布と薄く削いだしめ鯖、酢飯を、押し型でキュッと成型する関西では有名な押し寿司。
結果的には今でもバッテラは大好物なのですが、実はとてもおやすく、父のお財布におやさしいお寿司でした。

この父の作戦、しばらくはうまくいきました。
しかし中学生になったころ、初めてサビ抜きの握り寿司を食べた私は、「騙された!こんな美味しいならもっと早く食べとけばよかった!」と憤慨したものです。

週二回の、寿司三昧

大学生になって、中学生の家庭教師として伺っていたのがお寿司屋さん。お店の二階が自宅でした。
当時の家庭教師のアルバイトでは、私のような下宿学生には夕食を出していただくことがありました。
お寿司屋さんは当然ながら夕方から夜はお店が忙しく、奥様が「夕ご飯に食べてね」と毎回寿司折を持たせてくれます。 週二で伺っていましたが、一回は立派な握り寿司、もう一回はボリューミーな海鮮太巻き。しかも握りのネタ、海鮮太巻きの具は毎回豪華に変わります。
学生時代を通して私は常に金欠でしたが、お寿司だけには不自由しませんでした。

たまにバイト帰りに同級生の下宿に寄ることがあります。寿司折を手土産に訪れる私は大歓迎を受けます。
おかげで、授業ノートやレポートのコピーには困りませんでした。

寿司おごる、に注意

社会人になったある日の定時後、先輩が「今日は寿司を食べよう。おごるから!」と言います。
一瞬「エッ、いいんですか?」と目を丸くし、嬉々としてついて行きました。
行きつけのお店のようで、先輩は慣れた様子でカウンターの奥の席に納まり、「好きなものいくらでも頼んで」と。
なんということでしょう、回らない寿司の食べ放題。持つべきは太っ腹の先輩です。
「最初だけここの名物をだしてもらうから。大将、生中といつものアレお願いね」
生ビールをいただき、ホクホクしながら待つこと少々。私の前には分厚いスマホ大黄色い物体が?!(注:スマホはまだ無い時代です)
「へい、お待ち、特製ギョクで~す」と大将。玉子を支える海苔で巻かれたスシ飯も超立派。
目を白黒している私の横、先輩の前には、普通サイズの玉子寿司。
「遠慮せんで、さあ食べよう」。先輩は大将とバブルに向かい熱気を帯びる不動産の話を始めます。
「あとは何でも頼んで」と言われましたが、ゆうに10貫分くらいはあるスマホ玉子が胃袋に与えるインパクトは強烈。
しかも次から次へと勧められる日本酒でヘロヘロ。結果お寿司の注文はそこそこに留まりました。

後で聞きましたが、ここの大将は先輩の遠縁で、子供のころからよく来ているとのこと。
ジャンボな玉子寿司は、先輩が後輩に見栄を張るために大将にお願いして出してもらう裏メニューだそうです。
その後のトロもウニも美味しかったのは間違いないのですが、できれば最初に食べたかった・・・。

世界で愛される“SUSHI”

海外へ行くと、私はよく現地のスーパーマーケットを覗きますが、驚くことにどこでも“スシ ライク”なお惣菜が並んでいます。ガチ日本人の私から見ると、「これ、寿司?」と首をかしげるモノも。
ご飯に何らかのネタを載せる、ライスと様々な具を巻く。ここらへんを基本に、ありとあらゆる野菜、果物、魚介、ハムやチーズなどを組み合わせ、驚くほどカラフルな“SUSHI”の数々。摩訶不思議なインスピレーションで魔改造されたSUSHIが世界中で創作されています。
米国アトランタで、白身の魚に青や黄色の食紅を塗った虹色の握り寿司を見たことがあります。豪州メルボルンで出会ったリング状に巻いた寿司ドーナツは衝撃でした。
“こんなものを寿司と言う勿れ”とは思います。しかし考えれば“ラーメン”と言う中華風日本料理を様々にアレンジして世界に広めているのは我々日本人です。
最初は“ムムム!”と思ったアボガド入りのカリフォルニアロールも、今は逆輸入され市民権を得ています。

皆さんにも、いろいろなお寿司の思い出、寿司にまつわる話のネタがあるのではないでしょうか。
とここまで書いて・・・、久しぶりに手に入れたバッテラ。これをビールのお供に、至福の時間とさせていただきます。
「要は飲むのね!」と妻が横目で呆れています・・・。

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