“女3人、男4人” で涙した日からのリベンジ
英語が苦手な私が、通訳なしでしゃべれるようになった話
          2024年5月24日
執筆:役員室 上田 雅章
 
              最近、仕事をする際の英語や通訳の方のことが話題となります。
              多くの方にとって仕事の英語は目的ではなく手段のはずなのですが、なかなか一筋縄では行きません。
              そこで今回は、私が海外の仕事をすることになり、半泣きになりながらも英語をモノにしたいきさつをご紹介します。
            
大学受験は英語で絶望、入社時の英検は惨敗
                  私、英語が苦手でした。
                  うん十年前の大学受験、進路指導の先生から「君は落ちるとしたら英語だ」とまで言われていました。
                  入試が終わり、模範解答で英語の自己採点した時の絶望、今でも夢に見ます。
                  幸い世界史が絶好調だったため、何とか志望校に滑り込めました。
                
                  大学卒業後、入社した会社の研修で、「新入社員は1年間で“英検2級”以上を取得」との目標が示されました。
                  当時、同期入社の1/3は既に英検2級を取得済み。この年の英検で合格する者が1/3。
                  言うまでもなく私は入社1年後に英検2級を取得していない1/3の惨敗集団にいました。
                  そんな私でしたが、別に仕事で英語が必要となることもなく、業務は日本語だけで十分でした。
                
英語もしゃべれないのにアメリカへ長期出張
                  そんな私に、偶然にもアメリカへ長期出張するチャンスが訪れます。
                  当時開発に参加していた新製品をアメリカ市場へ投入することに。製品対応SEが派遣されることになり、開発では大した戦力ではないが製品を一通りは知っている(?)私が適当であったようです。
                  上司の打診に、無駄に意欲だけはあった私は「ぜひ行かせてください」と調子に乗って即答します。
                
前代未聞の“女3人、男4人”事件
                  着任したロサンゼルスの事務所は英語堪能な先輩営業マンと私だけ。少し前にアメリカ人の秘書が辞め、代わりの秘書を募集中とのこと。
                  最初の1週間は、先輩とマンツーマンであちらこちらに行きました。アメリカ人のお客様に対して私が特に何かをしゃべる場面はなく、先輩から聞かれたことに日本語で答える程度。
                  なんとなくやっていけるのでは・・・、と根拠のない自信が生まれ始めていました。
                
                  二人で外に出ると、留守番電話に5~6件のメッセージが入ります。帰社後先輩が対応しますがずいぶん負担だったようで、2週間目に先輩が「明日から電話番してくれない?」と言います。能天気な私は「わかりました」と即答。
                  翌日の電話番初日、電話が鳴ると私は意気揚々と「ハロー、ミツビシエレクトリック⤴」と先輩をまねて語尾を上げ応答します・・・。しかし、電話メモが一向に取れません。
                  夕方帰ってきた先輩が「電話あった?」と聞きます。
                  私:「はい・・・」、 先輩:「それで?」、 私:「女3人、男4人」、 先輩:「それで?」、 私:「いやぁ・・・」
                  「おまえ、電話も取れないのか!」、新製品売り込みで苦労し、ただでさえイライラしていた先輩は、プイッと向うを向いてしまいました。
                
一人ホテルに帰った私はベッドに突っ伏し、「もう無理、帰らせてください」と日本の上司に電話しようと考えながら、枕で涙を拭きました。
                  しばらくすると、ホテルのロビーから先輩が電話をくれて、「何も食べてないんだろ、メシでも食おうや」。
                  ビールを飲みながらもうつむく私に先輩は、「ちょっと言い過ぎた。電話の英語は顔が見えない分対面より難しいんだ」、
                  「明日から留守録オンのまま電話に出て、会話を録音してくれ。聞き直して、どこの誰からかだけでもメモして」。
                
電話で英語に慣れていく
                      次の日から電話を録音、何度も再生しメモにします。面識ある相手からの電話は何となく聞き取れ、片言で対応できます。
                      そんなこんなで3週間もすると、不思議なことに突然、初めての人からの電話でも何となく聞き取れ、「□□社のMr.△△ですね。Mr.○○(先輩)が戻り次第折り返します。」とかなんとか言えるように。
                    
                      お客様との対面打合せも、先輩から「俺は通訳しないからね。やばいと思うまで聞いているから、喋ってみて」と言われたことをきっかけに、次第に慣れてゆきました。
                      “女3人、男4人”で泣いた私が、こうして流暢ではないものの英語で業務ができるようになっていきました。
                    
英語が得意な方でも電話は苦手と言われます。しかし私は電話で英語に慣れていったため、今でも英語の電話は平気です。
非ネイティブの英語でもノープロブレム
                      ところで、私の妻は英語が得意で英会話も流暢です。
                      ある時、家族で海外旅行に行った先で現地ツアーに参加しました。この時のガイドがフランス人で、英語でいろいろ説明しますが、妻は困惑します。フランス語訛りが強くて聞き取れないと。
                      ほぼ聞き取れたという私に、悔し紛れに妻は言います。
                      「あなたはネイティブでない人の英語の方が得意よね。たぶん想像力が豊かなのよ。電話で英語を習ったって言うでしょ。
                      3割しか聞き取れなくても、全体を好き勝手に想像しているんじゃない」と。
                    
                      ・・・多分、当たらずとも遠からず。
                      “ソー ホワット? ノープロブレム!”と、苦手な英語で私は開き直りました。
                    
- 英検は公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
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