三菱UFJファクター株式会社様

「電話システム 構築・運用サービス」
「セキュアモバイルマネジメント」導入事例

MUFGグループのセキュリティー基準に準拠して機能制限した内線用スマホを導入。スマートワーク推進のための必須ツールとして全社員に配布

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の一員として、与信管理や代金回収などの商流ビジネスを手がける三菱UFJファクター株式会社。スマートワークを推進する同社は、スマートフォンを内線化して全社員に配布し、外線/内線電話の受架電や、メールの受発信をできるようにしました。これにより、電話取次ぎの削減など業務のスピードアップが図られています。電話やネットワーク環境の構築、セキュリティー設計、スマートフォンの全社展開、エンドユーザー向けヘルプデスクなどを三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)が支援し、スムーズな導入を実現しています。

三菱UFJファクター株式会社

コーポレート本部
システム開発部
副部長
五百木 一郎 氏

コーポレート本部
システム開発部
副部長
前田 和伸 氏

コーポレート本部
システム開発部
次長
神原 僚 氏

導入背景

電話取り次ぎ業務の負担軽減に向け1人1台のFMCスマートフォンを導入

三菱UFJファクターは、1972年に日本初の本格ファクター会社として設立以来、モノやサービスの動き、資金の流れといった商流を、与信管理、債権保全、売上代金回収などの形でサポートしています。

働き方改革に向けて全社的なスマートワークを推進している同社は、これまでペーパーレス会議やRPA、AI-OCR導入など、業務のデジタル化に取り組んできました。テレワーク環境の整備に向けて、モバイルPCやオンライン会議システムも導入してきました。

その中で、課題の1つになっていたのが社内の電話環境でした。これまで、社員は1人1台の固定電話を利用し、外線の受電は内線グループ内の代表番号のみでした。コーポレート本部 システム開発部 次長の神原僚氏は「内線グループの電話番号の場合、電話を取る人が部内の特定社員に集中する傾向があり、取り次ぎ業務に負担がかかっていました」と語ります。

「そこで社内生産性の向上に向けて、スマートフォンを内線電話として利用できるFMCスマートフォンを導入し、社員1人に1つの外線番号を割り当てて、社内外に持ち歩けるようにすることを決断しました。

検討時は、新型コロナウイルス感染症のまん延期で、在宅ワークをする社員が増えていた時期でした。社員1人に1台のスマートフォンを配布することで、在宅環境での内線電話の受架電に加え、オンライン会議やメール確認の用途としてもスマートフォンを活用できると考えました」(神原氏)

選定ポイント

FMCスマートフォンの導入サポートから運用サポートまでを一括提供可能なMINDの提案を評価

2021年6月より、FMCスマートフォンの導入を検討した同社は、導入支援のパートナーとしてMINDを選定しました。その理由の1つは、MINDが同社のネットワークや電話環境を熟知していたことにあります。MINDは2013年の同社本社ビル移転に合わせて、LAN環境、PBX、IP電話などのコミュニケーション基盤の移設作業を担当しました。その後も、モバイルPCやタブレットの導入時には、「MINDセキュアモバイルマネジメントサービス」を提供しています。

「FMCスマートフォンの導入もこれらの延長線上にあり、私たちの電話業務を理解しているMINDに任せるのは自然の流れでした」とコーポレート本部 システム開発部 副部長の五百木一郎氏は語ります。

「もう1つの理由は、スマートフォンとPBXだけでなく、セキュリティー設計、端末キッティング、全社への展開、運用管理、保守、導入後のヘルプデスクまで、トータルで提供できることにありました。

スマートフォンやPBXの提供だけなら他のベンダーでもカバーできますが、運用支援まで踏み込んだ提案をいただいたのはMINDだけでした。24時間365日体制でのヘルプデスク機能が提供されることも、システム開発部の運用負荷を軽減する意味でもタイムリーな提案でした」(五百木氏)

スマートフォンはiPhoneを採用し、固定電話特有のレガシー機能(転送機能・代表受電、グループ受電等)を実装。通信キャリアのコントロールもMINDが代行しました。導入時は、親会社のMUFGグループのセキュリティー基準に合わせてスマートフォンの機能やアプリを取捨選択。電話やオンライン会議などのコミュニケーションアプリは管理領域外に、会社の情報(データ)を取り扱うアプリは管理領域に配置し、データの外部漏洩を抑止しました。また管理領域外の他のアプリも、MUFGグループとして利用を認めているものに絞っています。コーポレート本部 システム開発部 副部長の前田和伸氏は次のように語ります。

「利用したい機能を実現するために、iOS、MDM、アプリ、社内環境など様々な制約の中から落としどころを探し、金融機関としてのセキュリティーを維持しながら、利便性の高い機能を実装するところに注力しました。

全社展開に向けては、同社のオフィスがある東京・名古屋・大阪・福岡の各拠点に、約700台のスマートフォンを一斉配布するためのファシリティ・授受体制を整備。幅広い年齢層の社員がスムーズにスマートフォンが利活用できるようにマニュアルやFAQを整備し、ユーザー向けの導入説明会も実施しました」

導入効果

外線電話の個人直通化により業務のスピードアップが実現

電話の直通化に伴い、業務もスピードアップしています。お客様からの電話を直接受けられるようになったことに加え、すでにスマホ利用が標準化している親銀行とも場所を問わず直接会話できるようになりました。

「さらに電話取次ぎの負荷削減に伴う副次的効果も狙っています。特定の社員に偏りがちな電話取次の事務負荷を抑えて、より戦略的な業務へ時間配分することも可能にできるのではと思っています。また在宅勤務が浸透しつつある状況でも、以前はリモートワーカーの自宅の電話や個人の携帯電話に、社内から電話をかけることに躊躇することもありましたが、内線電話としてかけられるようになり、精神的なハードルが下がったという声が届いています」(五百木氏)

導入後のユーザーからの問い合わせ、端末の盗難・紛失時の初期化・データ削除等に対応するヘルプデスク業務は、MINDが代行して24時間365日対応しています。これにより、社内での専用窓口常設による負荷を下げることもできました。

「ヘルプデスク業務をMINDに任せることで、私たちも安心して本業に集中することができています」(前田氏)

今後の展望

電話機能やスマホアプリを拡充しさらなる業務改善へ

三菱UFJファクターでは、今後もFMCスマートフォンの用途拡大を進めていく計画です。
「名古屋支社は事務所移転に合わせ、固定電話の台数を8割減らすことができました。他の拠点のスマートフォン利用拡大も推進していきます」(神原氏)

また、スマホアプリも現行のメール・予定表閲覧以外に、一定のセキュリティー基準を充足することを前提にした業務効率化のためのSaaSシステムとの連携アプリ導入や、多要素認証デバイスとしての活用も検討しています。

「MINDには引き続き、今後も幅広い分野における技術力を背景に安定したサービスの提案・導入支援をいただき、ITを通じた業務改革の推進に協力をお願いします」(五百木氏)

三菱UFJファクターは、永年の業歴で蓄積した高度なノウハウと信頼で、これからもお客様のニーズに応えていきます。