シヤチハタ株式会社様

MINDタイムスタンプサービス -DiaStamp-導入事例

クラウド電子印鑑サービスにMINDのタイムスタンプサービスを活用し契約書など重要書類のやり取りも可能に

朱肉やスタンプがなくても押せる「シヤチハタ印」で知られるシヤチハタ株式会社。同社は2017年から提供しているクラウドベースの電子印鑑サービス「パソコン決裁Cloud」を2020年に「Shachihata Cloud」へとリニューアルしました。取引先との重要書類のやり取りもできるBusiness版のリリースに際しては、三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)の「MINDタイムスタンプサービス-DiaStamp-」を採用。新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを導入する企業が急増する中、順調に利用者を増やしています。

シヤチハタ株式会社様

シヤチハタ株式会社
システム法人営業部
副部長
石井 慶 氏

シヤチハタ株式会社
システム開発部
加藤 智也 氏

シヤチハタ株式会社
システム開発部
島戸 啓輔 氏

導入背景

リモートワークの拡大を受けてクラウド電子印鑑サービスをリニューアル

「社会が望む『便利』『楽しさ』『安心・安全』を世界へ」を理念に、機能性と利便性を追求した商品を創造するシヤチハタ。1925年の創業以来、時代の変化に合わせて新しい商品・サービスを提供してきました。電子印鑑ビジネスもそのひとつで、同社では1995年、文書のOA化やオフィスのペーパーレス化による印章需要の減少を見越して、いち早く電子印鑑システム「パソコン決裁」をリリースしました。

当初はPCにインストールして利用するパッケージソフトでしたが、2017年にクラウド上で文書の申請や承認ができる「パソコン決裁Cloud」として提供を開始。2020年11月に「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」にリニューアルしました。システム法人営業部 副部長の石井慶氏は、リニューアルの経緯を次のように語ります。

「2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大によって、多くの企業でテレワークが推奨されるようになりましたが、決裁や押印のために出社を余儀なくされる担当者も多くいました。そこで3月から6月までパソコン決裁Cloudを無料開放したところ、想定以上に利用者が増えたこともあり、利用者のニーズに応えるべく、より柔軟に機能拡張が可能なサービスとしてShachihata Cloudをリリースしました」

前身のパソコン決裁から25年以上の実績があるShachihata Cloudは、導入数60万件※1、クラウドサービスの継続率97%※1の実績を誇ります。B(ビジネス)P(プロセス)S(そのまんま)をコンセプトに、これまでのビジネスプロセスを変えることなく、電子的な「捺印」が完了するサービスを目指して開発されました。1度体験すれば簡単に使いこなすことができます。サービス名に社名を冠しているところを見ても、「脱ハンコ」が加速する中で、電子印鑑・ワークフロー製品を新たな事業の柱にしたいという同社の思いが表れています。

選定ポイント

様々な料金体系があるMINDタイムスタンプサービスを選定

リニューアル前のパソコン決裁Cloudは、主に社内での文書申請や決裁業務を支援するサービスとして展開してきました。Shachihata Cloudでは、社内を中心に利用する「Standard版」に加え、取引先との重要書類のやり取りにも対応する「Business版」を追加しています。

Business版は、IDとパスワードによる認証だけでなく、メールやQRコード※2を使った2要素認証に対応しています。作成者や内容の同一性を保証する電子署名や、文書の存在日時を証明するタイムスタンプの付与にも対応します。さらに、社内用文書と社外向け文書を識別できる機能を実装し、社内文書が外部に漏れない仕組みも用意しています。システム開発部の加藤智也氏は「Business版は、セキュリティーを強化したいというユーザーの声によって生まれたものです」と説明します。

今回、Business版にタイムスタンプの機能を実装するにあたり、同社はMINDの「MINDタイムスタンプサービス-DiaStamp-」を採用しました。採用の決め手は、国際標準規格への準拠や、MINDのサポート体制、さらに利用量と予算に合わせて4つのサービスメニューが選べることにありました。システム開発部の島戸啓輔氏は「スモールスタートで始めて、様子を見ながら徐々に利用者を獲得していくうえで、少額から利用できる柔軟な料金体系は他社のサービスにない魅力でした」と語ります。

加えて、短期間でサービスをリリースするうえで、MINDの担当者の対応の早さやその内容を評価したといいます。

「タイムスタンプの機能実装が初めての経験であり、リリースまでの時間も限られていました。その中で、相談や質問にスピーディかつ的確に回答をいただけることは重要で、MINDなら安心して任せられると判断しました」(石井氏)

タイムスタンプの実装は、2020年6月末から打ち合わせを開始し、9月から10月にかけて開発、11月24日から提供を開始しています。開発はクラウド上で行い、MINDとも緊密な連携を取りながら進めたといいます。

「例えば、API連携によるタイムスタンプの付与において、発行要求から付与までのレスポンスに時間がかかる問題が発生しました。その改善施策でも、MINDから迅速な回答をいただき、助かりました」(島戸氏)

導入効果

セキュアなデジタル文書のやり取りと企業のペーパーレス化に貢献

Shachihata Cloudは、利用者数を順調に伸ばしています。最大30日間無料のトライアル版があり、その期間はBusiness版と同じ機能を使えるため、利便性を実際に確認できます。サービスは契約期間中にStandard版からBusiness版への乗り換えも簡単にできます。

現在、大企業から、中堅・中小企業、学校法人、福祉法人まで多くの採用実績があり、三菱電機のグループ会社でも押印に関する業務の工数削減や、決裁時間の短縮などを実現しています。

「Shachihata Cloudのリリースによって、押印のための出社がなくなり、お客様のペーパーレス化や働き方改革の実現に貢献できるようになりました。Business版のリリースで、重要書類のやり取りも可能になり、お客様のビジネスにも貢献しています」(石井氏)

Shachihata Cloudをリリースし、テレビCMなどで積極的に露出を図ることで、電子印鑑の分野でもシヤチハタの存在感がより大きくなっています。その結果、従来のハンコだけにとどまらない、業務の効率化を支援する会社であることのアピールにもつながっています。

開発グループにおいても、月額課金で提供するクラウドサービスの開発は、エンジニアの意識に変革をもたらしました。

「開発にスピード感があり、ユーザーの要望に合わせて1週間で改善してリリースすることも珍しくありません。また、開発してリリースしたら終わりではなく、継続的にサービスを進化させることにやりがいを感じています」(加藤氏)

今後の展望

電帳法対応に向けた機能強化とヘルプデスクサービスの導入を検討

同社は今後も継続的にShachihata Cloudの機能、サービスを強化していく方針です。

「長期保管や電子帳簿保存法への対応も考えています。今後も認定認証事業者であるMINDの様々な支援に期待しています」(島戸氏)

今後、Business版のユーザーが増えれば、タイムスタンプの導入案件も増え、ユーザーからの問い合わせも増えてくることが予想されます。それに備えて、開発チームからの技術的な質問に答えるMINDヘルプデスクサービスの導入も検討中で、シヤチハタとMINDの連携は今後も続いていきます。

シヤチハタは、社員一人ひとりが高い志と情熱を持ち、今まで培った技術や知見を生かして、「記す、伝える、認める」を核とした事業を拡大していきます。

  • いずれもシヤチハタ調べ 2020年12月末時点
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