菱電エレベータ施設株式会社様

電子取引サービス @Sign導入事例

建設工事の請負契約業務をデジタル化し業務効率化とコスト削減を実現

三菱電機ビルソリューションズ製エレベーター・エスカレーターの販売・設計・据付工事などを手掛ける菱電エレベータ施設株式会社。同社は、据付工事を協力会社に発注する際の注文書と請書のやり取りを従来紙で行っていましたが、時間短縮と業務効率化、コスト削減のため建設業法に対応した三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(以下、MIND)の電子取引サービス「@Sign(アットサイン)」を導入しました。従来は注文書を発行してから請書を受領するまで2 週間程かかっていましたが、@Signを導入することにより、法令を順守しつつ、最短で当日受領できるようになり、郵送費の削減も実現しました。

菱電エレベータ施設株式会社様

資材部長
佐藤 要人 氏

ワークスタイル変革推進室
参事
丸山 雅史 氏

リフト事業本部 リフト部
リフト工事課長
伊藤 育生 氏

工事本部 工事部 工務課
主査
小林 未紀 氏

導入背景

建設業法を順守しながら発注業務にかかる時間を短縮

1973年に「三菱昇降機」の据付工事専門会社として設立された菱電エレベータ施設は、2023年で創業50周年を迎えた技術者集団です。オフィスビル・駅・空港・ショッピングモール・マンション・個人住宅(ホームエレベーター)など、幅広い据付実績があり、快適な都市づくりに貢献しています。自社開発製品の小荷物専用昇降機「リョーデンリフト」は、累計生産台数4万台を超え、多くの病院・学校に採用され業界トップクラスのシェアを誇っています。

これまで同社は、昇降機の据付工事を協力会社に発注するときは、建設業法の定めに従い注文書と請書を書面でやり取りしていました。そのため、注文書を発行してから請書を受領するまで約2週間を要していました。このやり取りを工事着工前に終える必要があり、対応を急ぐ場合には、協力会社まで注文書を直接届けて、請書を受け取って戻ってくることもありました。

そこで同社は、発注業務にかかる時間短縮に向けてデジタル化を検討。資材部長の佐藤要人氏は「法令を順守したうえで、電子契約によって各書類のやり取りの短縮を図ることが最大のポイントでした」と振り返ります。

同社は、2023年4月よりリョーデンリフトの据付工事を発注するリフト部門から電子契約を開始しました。リフト事業本部 リフト部 リフト工事課長の伊藤育生氏は「リフト部門の場合、月平均で1つの協力会社に4、5件の据付工事を発注しています。注文書を案件が発生したタイミングでその都度郵送していると郵送代がかかります。節約して複数案件をまとめて郵送すると、発注のタイミングが遅くなってしまうというジレンマもありました。電子化をすれば、郵送コストと送付時間の短縮の2つの課題がクリアできると考えました」と語ります。

選定ポイント

建設業法と電子帳簿保存法への対応とスマートフォン対応が採用の決め手

菱電エレベータ施設は、建設工事の電子契約に対応している複数のサービスを比較した中から、MINDの@Signを導入することに決めました。その理由をワークスタイル変革推進室参事の丸山雅史氏は次のように語ります。

「電子化するうえで、建設業法と電子帳簿保存法への対応は必須でした。加えて、当社がリョーデンリフトの据付工事を発注する協力会社は、小規模事業者が多く、事業主が現場で据付作業を行うため、発注内容をすぐに確認ができないこともあります。そのため、スマートフォンで注文内容を確認し、請書を発行できることが決め手となりました。@Signがセキュアな環境で運用されていることも、導入を後押ししました」

リョーデンリフトの発注先である協力会社5社も、電子契約に前向きに協力していただくことができ、スムーズな導入に至りました。

「協力会社が電子契約に慣れるまで、2~3ヵ月は書面契約との並行運用が必要と想定していましたが、@Signはユーザーインターフェースが分かりやすく思いのほか早く使いこなせるようになり、1ヵ月で電子契約に一本化することができました」(伊藤氏)

@Sign導入時は社内の運用ルールも整備し、アカウントの取得方法、管理方法、利用の範囲なども明確化しました。

導入効果

請書の受領期間は2日以内が99%郵送費と印紙代で年間250万円を削減見込み

@Sign導入後、リフト部門が本社の協力会社5社とやり取りした注文書・請書の件数は、2023年4月から8月までの5ヵ月間で265件ありました。注文書の発行から請書を受領するまでに要した期間は、当日(0日)が242件、翌日(1日)が16件、翌々日(2日)が5件で、99%が2日以内に収まりました。

コスト面については、エレベーターやエスカレーターの据付工事を担当する工事部門まで適用範囲を拡大し、全国の拠点に展開した時の試算値として、郵送費が同社と協力会社を合わせて年間114万円、協力会社が負担する印紙代が年間136万円で、郵送費と印紙代の合計で年間250万円の削減を見込んでいます。

「郵送費や印紙代だけに留まらず、紙代や事務担当者が書類を印刷して封入する作業の工数も含めると、さらなるコスト削減が実現すると考えています」(丸山氏)

また、法令を順守した業務が徹底でき、当初の目的が達成されました。

「@Signによって建設業法に基づいて安心して取引できることを協力会社にもアピールすることができました」(佐藤氏)

@Signを利用するリフト部門の事務担当者や協力会社からは、「使いやすい」といった声も届いており、業務の効率化に貢献しています。「事務担当者からは、紙に出力することなくすべての作業が電子化できていることから、手間が省けて時間が短縮できてうれしいという感想が寄せられました。管理者の私にとっても、注文書の交付状況が一覧で見られ、検索もでき、必要に応じて誰が、どこに、いつ、何の注文書を交付したかをスマートフォンでも確認できるため、管理の効率化を実感しています」(伊藤氏)

今後の展望

全国の拠点に@Signの利用を拡大将来的には下請法対象取引の電子契約にも

今後、リフト部門については、全国に@Signの利用を拡大していく予定です。これにより対象となる協力会社の数も増え、案件数も現在の3倍程度に増えることが想定されています。

エレベーターやエスカレーターの据付工事を担当する工事部門では、2023年10月に全国の拠点に対して、協力会社と電子契約を始めるための説明会を実施しました。今後は、発注業務のフローを全国で標準化し、@Signの利用部門を拡大していく計画です。

協力会社に@Signの操作説明をしている工事本部 工事部 工務課 主査の小林未紀氏は「工事部の場合、対象となる協力会社は全国で116社あり、そのうち私たち本社担当の対象となる協力会社は44社です。現在は、一部の事業領域の協力会社に対して@Signを使った電子契約の説明会を実施しています。スマートフォンが使えるなら安心といった声や、印紙代が不要になるのは助かるといった声があり、順調に導入が進むことを期待しています」

将来的には@Signを下請法対象取引の電子契約にも活用する構想があり、電子化・ペーパーレス化の取り組みは今後も加速していきます。

菱電エレベータ施設は、「Innovation &Challenge 変わります、そして挑戦します」をスローガンに、引き続きお客様の期待に応えていきます。

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