三菱ホームページ委員会様

三菱グループサイト構築事例

三菱グループ150周年に向けて最先端の技術を用いたサイトへリニューアル。三菱ブランドを国内外に発信

三菱ホームページ委員会は、広く世界の方々に三菱グループに対する正しい理解を深めるとともに、グループのブランド価値と求心力の更なる向上を目指して、創業150周年の節目となる2020年1月に「三菱グループサイト」をリニューアルしました。さらに記念イベント情報やスペシャルコンテンツ等を紹介する期間限定の特設サイト「三菱創業150周年記念サイト」を同時公開しました。

三菱ホームページ委員会様

リニューアルした三菱グループサイトのトップページ。メイン画像は最新のコンテンツを表示するようになっており、例では「写真でみる三菱グループ」の代表的画像を表示している

三菱ホームページ委員会事務局
部長
室井 克信 氏

三菱ホームページ委員会事務局
樋川 由季 氏

株式会社アイプラネット
コミュニケーションデザイン局
Webデザイン部
プロデューサー
中村 岳夫 氏

導入背景

ブランド価値と求心力の向上に向けグループサイトを全面リニューアル

土佐藩出身の武士、岩崎彌太郎が1870年に興した海運事業を起源とする三菱グループ。同グループは長年にわたって日本の産業を支えてきました。世界でも類を見ない広範囲の業種をカバーする三菱グループのポータルサイトmitsubishi.comは2001年1月に開設され、管理・運営は三菱ホームページ委員会が担当しています。グループサイトの役割について、三菱ホームページ委員会事務局 部長の室井克信氏は次のように語ります。

「グループを国内外に紹介する総合案内機能、グループ各社のサイトに誘導するポータル機能、グループ各社と関係者への情報提供機能により、ブランド価値の向上、ビジネスパートナーの拡大、グループの求心力の向上を実現することにあります」

グループサイトは、誰でもアクセスできる一般向けのページ(日本語 / 英語)と、グループ関係者向けのページで構成されています。開設以来、コンテンツの充実を図ってきましたが、ウェブサイトのバックエンドシステムは、2004年に構築したものを10数年にわたって利用していました。そのため、従来のシステムでは高精細の写真や動画の配信には対応ができないなど、様々な制約があったといいます。

そこで、三菱ブランドの更なる価値向上を目指してウェブサイトの再構築を決定しました。「グループの広報誌発行や広報活動を手がける三菱広報委員会が別途運営しているウェブサイトとの統合や、2020年に実施する創業150周年記念事業への貢献も加味して、2016年夏から新たなグループサイトのあり方を議論し、全面的なリニューアルを図ることにしました」(室井氏)

選定ポイント

海外は“広く”、国内は“深く”サイト全体のコンセプトを明確化

グループサイトのリニューアルとバックエンドシステムの再構築は、2017年11月より検討を開始、2018年10月に複数のベンダーに提案を依頼した中から、株式会社アイプラネットと三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)との共同提案を採用しました。選定の理由は、両社が過去に手がけた三菱電機の企業サイトがグローバルへの発信力強化を目指す方針にマッチしていたことにありました。

「特に三菱電機の海外向けサイトは、本社でガバナンスを効かせながらも、各国の業務内容を的確に伝える内容となっており、先進性を感じるものでした。加えて、これまでの三菱グループサイトの運営を、アイプラネットとMDISが共同で手がけてきた実績も評価して採用を決めました」(室井氏)

新サイトのコンセプトについて、アイプラネット コミュニケーションデザイン局 Webデザイン部 プロデューサーの中村岳夫氏は次のように語ります。

「三菱グループに対する理解は、国内と海外で認識が異なります。それを念頭において、両者の住み分けを明確化することにしました。個々の事業は知っていても三菱のグループとしての全体像を十分に理解していないグローバルの閲覧者には、“事業領域の広さ”を伝えてグループ全体の理解を深めるコンセプトとし、知名度が高い国内向けには歴史、哲学、社会貢献などの情報発信を通して“グループの深み”を伝えるコンセプトとしました。これらを実現する座組み(体制)を作るため、グローバルサイトのデザインには海外のデザイン事務所に協力を要請。ウェブサイトのバックエンドシステムの構築は実績と技術力のあるMDISに支援を仰ぎ、私たちはサイトコンセプトやガバナンス、コンテンツなどに注力しました」

プロジェクトは2019年1月にスタート。システム構築、テスト、移行などを経て、2020年1月15日に全面リニューアルとなりました。同時に、特設サイトとして「三菱創業150周年記念サイト」を公開しました。

新システムの基盤には、リソースの拡張が容易なパブリッククラウドのAmazon Web Services(AWS)を採用しました。また、コンテンツをスムーズに届けるため、キャッシュサーバーのCDN(Content Delivery Network)を利用。さらにテキストや画像などのコンテンツを体系的に管理し、配信など必要な処理を行うCMS(Contents Management System)を導入し、公開までの手順をワークフロー化することでガバナンスの強化を図っています。

サイト制作時は、グループサイトならではの難しさがありました。三菱ホームページ委員会事務局の樋川由季氏は「リニューアルの目玉であるグローバルサイトや国内サイトのスペシャルコンテンツに掲載する写真提供をグループ各社に依頼する際のやり取りや、掲載用の紹介文の文言の表記や表現は注意点が多く、公開寸前まで細部の調整を図っていました」と振り返ります。

導入効果

高精細写真や動画を効果的に使いグループの魅力をわかりやすく発信

リニューアルした国内向けサイトは、従来から継続するグループのあゆみや社会活動を紹介するコンテンツに加えて、高精細な写真を使った「写真でみる三菱グループ」とインフォグラフィックを使った「数字でみる三菱グループ」を新たに追加し、様々な角度から三菱グループを理解できるようになっています。国内のグループ関係者向けページではグループ内部の求心力を高めるためのコンテンツを随時掲載しています。

期間限定の「三菱創業150周年記念サイト」では、広報誌の特集記事や、グループのルーツを伝えるアニメ動画「三菱ヒストリーラボ」などのスペシャルコンテンツを掲載しています。今後は創業150周年記念事業の紹介や、未来を展望するコラムを公開していく計画です。

グローバルサイト(英語版)では、Engineer、Supply、Transformなど事業領域を19のトピックスに分類し、それぞれ写真と記事で三菱グループが携わるビジネスの多様性を視覚的に紹介しています。

「リニューアルによって、ブランド価値の向上により一層貢献するサイトに進化を遂げることができました。グループサイトはPVの向上だけを目的とするものではありませんが、今後もPV、滞在時間、検索キーワード、ランディングページ、訪問者の動線などを分析しながら、ユーザービリティが高く、安心して閲覧できるサイトにしていきます。そして、サイトを通してグループ内求心力の更なる向上も追求していきます」(室井氏)

課題だったサイトのレスポンスも向上し、ユーザーからの評価も上々だといいます。「写真をふんだんに使ったデザインが好評です。サイトの閲覧もスムーズになったという声が届いています」と樋川氏は語ります。

今後の展望

グローバルのステークホルダーに向け充実したコンテンツの提供へ

「今回構築した堅牢なインフラは、今後数年間は使えると自負しています。MDISにはバックエンドのシステム運用で引き続き支援をいただき、私たちはフロント側での更なる使い勝手の向上や新しいコンテンツの提案などに取り組んでいきます」(中村氏)

「現在のグローバルサイトの言語は英語のみですが、将来は中国語をはじめ多言語化を検討していく方針です。サイト全体についても、使いやすさを求めて継続的に改善を進めていきます」(室井氏)

三菱グループサイトは、今後も時代とともに進化する三菱グループの姿を発信していきます。

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