近年、さまざまな業界で「データ活用」が進んでいます。
人やモノ、空間の動きを数値として捉え、分析することで、新たな価値を生み出す取り組みが広がっており、その波は「オフィス」にも押し寄せています。

たとえば、オフィスの形や家具配置など、レイアウトが読み取れる図面データや、オフィスのどの場所がどのくらい使われているかを示す従業員の利用状況のデータ、会議室の予約状況データ、さらに、従業員へのサーベイにより心身の状態やエンゲージメントなどを調査した情報も、立派なオフィスデータの一部です。
オフィスにはそんなさまざまな「データ」があふれています。

これらを単体で見ると、単なる数字の羅列にしか見えませんが、掛け合わせて分析することで「エンゲージメントの高い社員がよく使用している場所」や「リラックスできるスペースが足りず安心できない雰囲気がある」など、オフィスと組織のリアルな状態が浮かび上がります。

多くの企業では、データの存在には気づいているものの、それを「どう活かすか」に課題を感じています。
データを収集すること自体を目的化せず、分析や意思決定に結びつくような活かし方をすることが重要です。

「増やすべきスペースはどこか」「会議室はいくつ必要か」など、データから浮かび上がったことをオフィスに反映すれば、感覚に頼らない根拠のある改善を行うことができます。

株式会社イトーキでは、オフィス空間に眠るデータを多角的に収集・分析しており、空間の配置、利用状況、従業員のコンディションや行動データなどを常に観測し、細かくPDCAサイクルを回しています。
収集したデータの分析を基に、実際に本社オフィスのリニューアルを行い、従業員の移動データやコンディションデータを調査したところ、従業員エンゲージメントスコア10％増や、若年層の離職率40％減、生産性の実感40%増など、さまざまな項目において驚くべき効果が見られました。

また、このように「オフィスリニューアルの効果」が定量的に可視化できることで、トップ層への費用対効果の報告や、従業員への説明時にも役立てることができます。

こういった取り組みは、個々のパフォーマンス最大化や組織全体の業績の向上へとつながり、人を中心に据えた経営を推進する「人的資本経営」において明示できるなど、あらゆる効果があります。

オフィス改善におけるデータ活用は、これまで「なんとなく」で行われがちだったオフィスのリニューアルを、合理的なものへと転換させることができます。

そしてそれは、単なる環境改善や効率化の手段にとどまりません。確かな根拠によってつくられた働きやすいオフィス環境が、組織の生産性や創造性を向上させ、やがて人的資本の価値を高めるための「経営基盤」となるのです。

また、従業員の行動や空間の利用実態を可視化し、客観的な指標として捉えることで、経営はより正確な意思決定をすることが可能になります。感覚や属人的な判断に頼らず、データに基づいたオフィスの改善を継続的に行うことこそが、企業の持続的な成長を支える基盤になるのです。

株式会社イトーキでは、オフィス空間に蓄積された多様なデータをプロならではの目によって統合・分析することで、企業に合わせたオフィスの最適解を見出すご支援をしています。

たとえば、レイアウトデータと従業員の行動・位置情報を掛け合わせることで、稼働率の低いスペースや会議室のひっ迫状況など、感覚では見えにくい課題を定量的に可視化。見えた課題を改善していくことで、生産性やエンゲージメントの向上、ひいては業績の向上にまでつながるオフィスづくりを行います。

また、単なるデータ分析にとどまらず、改善提案までを一貫して伴走。オフィスを単なるコストから経営資源へと転換することで、その価値の最大化をご支援します。