市民権を得つつあるテレワーク ―活用と定着化を実現するには

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2021年6月25日

ある調査によるとテレワーク実施率は、2020年の一回目の緊急事態宣言直後と比較して、低下傾向にあるようです。テレワークを本格的に実施できていない企業の中には、行政や自治体でのテレワーク導入の支援策を講じていることをご存じでないことも多いようです。ここでは、あらためてテレワークがもたらすメリットを確認し、ブレない導入・利用拡大の推進について考えてみましょう。

テレワーク定着化を国や自治体が全面サポート

未曾有のコロナ禍を機に、行政や自治体でのテレワーク導入の支援策が始まったのは記憶に新しいことでしょう。例えば、総務省では、「テレワークマネージャー相談事業」としてICTのノウハウ等を有する専門家(テレワークマネージャー)が、ICTツールやセキュリティーといったテレワーク導入に関するコンサルティングを無料で実施しています。
厚生労働省でも「テレワーク相談センター」を設置し、テレワーク導入についての疑問・助成金申請手続き、企業への訪問相談を行っています。また、東京都では「ワークスタイル変革コンサルティング」と題し、都内の中堅・中小企業等を対象に、ICTの専門家を最大5回まで無償で派遣し、テレワーク導入に向けた支援を行っています。
補助金では、経済産業省が「IT導入補助金」として、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールの導入経費の一部を補助しています。
このように、コロナ発生直後よりは落ち着きつつあるものの、現在でも各機関で様々な助成・補助を実施しています。このことからもテレワークの定着化は、国を挙げて解決すべき、大きなテーマになっていることが分かります。

イメージ:テレワーク

テレワークの実施率

では、実際のテレワーク導入率はどのようになっているのでしょうか。日本生産性本部が2021年4月に発表した「第 5 回 働く人の意識に関する調査」で、国内のテレワーク実施率に関する数字が明らかになりました。1回目の緊急事態宣言が出た2020年5月のテレワーク実施率は31.5%でしたが、同年7月には20.2%となり、さらに10月は18.9%、2回目の緊急事態宣言直後の2021年1月でも22.0%、同年4月では19.2%と、最近では約2割の水準でとどまっています。

テレワークの実施率

この調査は、20歳以上の国内の企業・団体に雇用されている1,100名を対象にしています。そしてここでいう「テレワーク」とは「自宅での勤務」「サテライトオフィス、テレワークセンター等の特定の施設での勤務」「モバイルワーク」を総称したものとなっています。
この結果だけ見ると、テレワークを実施する割合は減少していくように見えますが、コロナ禍第4波においてテレワークの状況がどう変わっていくか注目されます。

コロナ対応だけにとどまらないテレワークのメリット

ここで今一度、テレワークのメリットについて確認してみましょう。コロナ禍においては、感染防止措置が強調されがちですが、本来のメリットは別のところにあります。それは、人材確保策としてのメリットです。テレワーク利用が認められているだけで、子育て世代や親の介護をしなくてならない人たちにとって、負荷軽減に役立ち、貴重な人材を組織につなぎとめておくことが可能になります。
さらにテレワーク利用者がいることが前提となると、働き方に関する社内制度やワークフローを組み替える必要が発生し、業務改革が進む可能性があります。それに伴い、「ハンコゼロ」「ペーパーレス化」にも取り組めるようになるのです。また新卒や中途採用に対する企業アピールとしても使えるため、優秀な人材を獲得するうえでは重要な要素になるでしょう。
このように、テレワーク実施率が低下傾向にあるからといって、「テレワークそのものが、意味がない」といった判断を下すのは早計だといわざるを得ません。

導入のポイントはコストとセキュリティー

テレワーク導入のポイントとなるのは、「コスト」と「セキュリティー」です。
コストの面では、テレワーク導入によってどれくらいの負担軽減になるのかを、念入りに計算しておくことが重要になります。前述したようにテレワーク導入によって、「ハンコゼロ」「ペーパーレス」も実現できるほか、社員の直行直帰もルールとして認められるようにすれば、残業時間や交通費の削減も可能になります。具体的な数字比較しながら導入効果を換算し、コストを早期に回収できることをアピールするのが重要です。
テレワークでは、PCやタブレットなどの端末が社内ネットワーク外で稼動することになるため、マルウェアが埋め込まれ、他社に被害を拡散する恐れもあります。このことからも「外部ネットワークに接続している端末」つまりエンドポイントセキュリティーの対策は必須です

テレワーク導入の必要性を経営層に訴えるには?

このようにテレワークは、導入コストがかかるので、想定されるメリットと投資コストの回収シミュレーションが欠かせません。
かつてはメールシステムでさえも「電話とFAXがあるから必要ない」という意見があり、「中小企業ではメールは利用されないのではないか」などと言われていた時代もありました。クラウドやSaaS(Software as a Service)もつい最近まで同様のことが言われていましたが、現在はご承知のとおりです。同様にテレワークもしっかりとメリットを提示できるようにしていくと、経営層に重要性を伝えられるのではないでしょうか。
MINDでは、自社サイトとして「MINDテレワーク特集ページ」を開設するなど、テレワーク導入のお手伝いを行っています。生産性の低下、セキュリティーリスクや管理負荷の増大といった課題にしっかり対応できる知見、ソリューションを提供していますので、ご興味がある方は一度サイトに訪れてみてください。

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