三菱電機株式会社 名古屋製作所様

会議室予約管理システム導入事例

リアルタイムに空き状況が把握できる会議室予約管理システムを導入し利用率向上と会議効率化を実現

三菱電機FA 事業の中核拠点として、FA 機器やFA ソリューションの開発、製造を手がける三菱電機株式会社 名古屋製作所。ソリューション提供力の強化を目指して建設した「第二FA 開発センター」の竣工を機に、三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)の「MIND 会議室予約管理システム」を導入しました。予約時間から一定時間経過しても利用がない場合、自動的に予約が解除される「自動キャンセル機能」による会議室利用率の向上や会議終了時間の一定時間前にアラームを鳴らす「会議終了アラーム機能」によって会議の終了を促すなど、会議の効率化を実現しています。

富士フイルムメディカル株式会社

富士フイルムメディカル株式会社2017年7月に竣工した第二FA開発センター

雑賀 好治 氏

生産システム推進部
次長
片江 徹 氏

大竹 豊 氏

生産システム推進部
情報システム課長
加藤 喜洋 氏

大西 孝幸 氏

生産システム推進部
情報システム課 専任
千葉 祐一 氏

導入背景

「第二FA 開発センター」の竣工に際し効率的な会議室の活用を模索

三菱電機名古屋製作所は、1924 年に汎用電動機(モーター)の量産工場として設立されて以来、生産ラインの自動化・省力化を担うFA 製品の製造拠点として、業界をリードする製品を送り出してきました。現在は、世界トップクラスのシェアを誇るシーケンサやサーボシステム、レーザー加工機などの生産を手がけ、グローバル生産におけるマザー工場と位置付けられています。2003 年からは工場全体の最適化を図る「e-F@ctory」を「インダストリー4.0」に先駆けて推進。各種生産設備とITシステムをつなぐことで、工場運営の「見える化」を支援しています。

2001年にはFA製品の設計・開発拠点「FA開発センター」を名古屋製作所の構内に設立し、社内の開発力を結集する体制を構築。IoTを活用した生産性・品質の向上への取り組みが加速する中、2017 年7月には新たに地上7 階建ての「第二FA 開発センター」を竣工しました。その狙いについて、生産システム推進部次長の片江徹氏は次のように語ります。

「ひとつは、e-F@ctoryを構成するFA 機器やソリューションの開発人員を増強するためです。もうひとつは、横方向のリレーションを強化するためで、FA 関連機器のパートナー会社などとも一体となって生産性向上のための課題解決に取り組むことにあります。建物全体のコンセプトとしては、コミュニケーションの活性化と個人のパフォーマンス強化を掲げ、社員が効率よく働ける環境を提供することを目指しています」

効率的な働き方を実現する環境の代表例が、会議室予約管理システムです。これまで使用していたシステムでは、会議が中止になった時に担当者がキャンセル操作を忘れていると、会議室が空いているのに他のユーザーが利用できない状況を招いていました。生産システム推進部 情報システム課長の加藤喜洋氏は「会議室は仮予約のような形でかなり前から押さえられてしまうケースが多く、急な打合せで使いたいと思っても予約ができない状況でした。そのため会議の開催が先延ばしになり、意思決定の遅れにつながることになります。そこで、第二FA開発センターでは効率的に会議室を利用できるシステムの導入を決断しました」と語ります。

選定ポイント

ネットワークやインフラの運用実績と迅速に対応できる保守体制を評価

三菱電機名古屋製作所は、複数のソリューションを比較検討する中から、MINDが提供する「MIND 会議室予約管理システム」を採用しました。まず、採用決定前の2016 年7月にMIND 本社に足を運び、実際の稼働環境を確認。ソリューションを選定後、評価のため、会議室予約管理システムの部屋前端末を4 台導入し、半年間かけて操作性や運用環境を検証しました。そこでの結果を受け、2017 年3月に第二FA 開発センターへの本格導入を決定しました。MINDの選定理由について加藤氏は次のように話します。

「MINDは長年名古屋製作所のネットワークやサーバー環境の運用保守を担当してきた実績があります。製作所構内にMINDの保守担当が常駐しており、障害発生時にも迅速に対応できることが決め手になりました。また、会議室予約管理システムが、三菱電機グループ全体で導入を進めているOffice 365を利用したIT 基盤に対応していることもポイントになりました」

2017 年3月に導入開始された会議室予約管理システムは、2018 年3月現在、第二FA開発センターの合計183 部屋(端末100 台、一部共用)で利用されています。外来のお客様も利用する1 階の会議室には、フロアの入口に大型モニターによる集中サイネージを設置し、会議参加者がどこの会議室に行けば良いかが一目で分かるようにしています。

「集中サイネージは、ユニバーサルデザインとし、実際の会議室の位置と表示画面が一致するようにカスタマイズしました。画面のデザインもシックなイメージに統一して、フロア全体の雰囲気を損なわないように配慮しました」(片江氏)

生産システム推進部 情報システム課の千葉祐一氏は「プロジェクト全体を通して、MINDとともに入念に仕様打ち合わせを実施することができました。建物内のネットワークに関しては、効率性とコストを踏まえた設計をいただき、コストパフォーマンスの高い環境が構築できたと満足しています」と語ります。

導入効果

利用者の手間を削減するとともに会議室の有効な活用を実現

会議室予約管理システムは、第二FA 開発センターがオープンした2017 年7月から稼働を開始しています。会議室予約はMicrosoft Exchange Serverと連携したOutlookから行いますが、予約された開始時刻から10 分経過しても部屋前端末の「利用開始」ボタンが押されない場合は自動的にキャンセルされます。そのため、キャンセルされた会議室の再利用が促進され、効率的な会議室利用が可能になりました。

「各フロアの会議室は有効に使われ、高い稼働率を維持しています。キャンセルされた会議室の予約者も特定されるため、仮押さえだけして放置することに対する心理的なハードルも高くなったようです。また、会議終了の10分前にはアラーム音が鳴るように設定しているため、会議終了時間も遵守され、働き方改革の一助となっているようです」(加藤氏)

また、1階フロア入口の集中サイネージにより、使用会議室の確認がスムーズになっています。部屋前端末を見て空きがあれば「今すぐ利用」ボタンを押すだけで確保ができるため、急な打合せでも対応しやすくなっています。

「会議室予約管理システムを導入したことで、空いている会議室を探す時間が大幅に短くなったことが最大の効果で、利用者の無駄な時間を排除できたことは大きなメリットと実感しています」(片江氏)

各会議室の予約率、稼働率、キャンセル数などの推移はレポーティング機能を使って記録しており、データを分析して改善を進めていく考えです。

今後の展望

名古屋製作所内に水平展開しコミュニケーションのさらなる強化へ

今後は、「MIND 会議室予約管理システム」を名古屋製作所内の第二FA 開発センター以外の建屋(本館、FA 開発センター、メカトロ開発センター)と、分工場である新城・可児工場の2ヵ所へ導入を検討しています。加藤氏は「社員から評判も高く、リクエストの声が寄せられていることから、2018 年度中には水平展開していきたいと思います」と話しています。

また、会議室予約管理システムを含めて、会議室専用PC 端末、ホワイトボード撮影用システム、テレビ会議システムなどの活用を通して、業務の効率化やペーパーレス化を推進していく予定です。

三菱電機名古屋製作所は、業界をリードするFA 制御技術やメカトロ技術を通して、ものづくりのIoT 化の時流を推進し、世界の製造業の未来を支援していきます。

2018年1月18日取材

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