タイムリープと言う勿れ
~未来日記で自分自身のアレを目指す~

執筆:役員室 上田 雅章

見逃し配信を使ってテレビドラマをよく見るのですが、最近“タイムリープ”をモチーフにしたドラマが多くないですか?
主人公が未来に行って冒険したり、過去に戻って人生をやり直したり。これにロマンスや様々な社会課題を組み込んで物語が展開します。

タイムリープ/タイムトラベル

“タイムリープ”という表現は、筒井康隆さんが小説「時をかける少女」(1967年)で登場させた和製英語だそうです。
時間を跳躍・移動するという概念は、SF(Science Fiction:空想科学小説)のテーマで古くからあります。“タイムトラベル:時間旅行”、“タイムスリップ”、“タイムワープ”など様々な表現、バリエーションがあります。意図して、または何かをきっかけに人の体と意識の両方が時間を移動する、あるいは意識だけが移動するなどなど。

例えば、浦島太郎。竜宮城から戻ると数百年の年月が経っていた。これはタイムワープと考えられます。原話は8世紀の丹後国風土記にあるそうです。古代ギリシャの逸話、ヒンズー教やアイルランドの神話など、旅から戻ったら、あるいは目が覚めたら数百年後と言うような物語・伝承が世界中にあるようです。
そう言えば、ドラえもんは22世紀から20世紀にタイムトラベルしてきたネコ型ロボットですし、ドラえもんが現れる机の引き出しは、この時間旅行を可能とするタイムマシンですよね。
タイムマシンと言えば、子供のころ大好きだったアメリカドラマ、“タイムトンネル”(NHKで1967年~)が懐かしい。
また有名なところでは、ハリウッド映画“バック・トゥ・ザ・フューチャー”(1985年)の自動車型タイムマシンの“デロリアン”。これはプラモデルやミニカーもありました。

タイムリープのドラマはなぜ多い

時間移動は、アインシュタインの相対性理論による可能性が述べられていますが、実現は難しいと考えます。
にもかかわらず、物語を大きく膨らませるフレームワークとして映画やテレビドラマではたいへん人気があります。
冒頭に挙げた“時をかける少女”は、NHKで“タイム・トラベラー”(1972年)としてドラマ化されました。その後何回も映画、ドラマ、アニメになっており、1983年の原田知世さん主演の映画は、松任谷由実さん作詞作曲の主題歌と併せて有名ですよね。
また薬師丸ひろ子さん主演の映画“戦国自衛隊”(1979年)は、荒唐無稽ながらタイムスリップという設定が活きました。

今年2023年に公開されたテレビドラマでは、以下のような作品がありました。ネタバレになるので、各ドラマの時間移動のキーワードです。

  • ブラッシュアップライフ:日テレ <タイムリープ、人生何周め>
  • 最高の教師      :日テレ <2周目の人生、タイムリーパー>
  • ペンディングトレイン :TBS <未来へのタイムワープと帰還>
  • 時をかけるな、恋人たち:カンテレ/FNS <歴史を変えようとする時間犯罪者とタイムパトロール>

どれも時間移動が起こったとすれば考えられる特有のテーマをベースに、ロマンスや社会風刺、社会問題を組込んだおもしろい作品です。

昔のタイムトラベル小説や映画は数百年もの時間を飛び越える空想物語が多かったですが、最近人気のタイムリープドラマの時間移動は数年からせいぜい数十年程度。主人公の人生に関係する時間範囲が舞台です。これは視聴者が持つ人生に対する不満や不安に対し、主人公がタイムリープで未来を知り、過去を変えることでそれらを解決するというストーリーが共感を呼ぶのでしょう。

知っている過去から未来を創るため未来日記

現実には我々は過去にも未来へも行けません。一方、未来は知りませんが過去は知っており、知らなくても調べることができます。そして過去は変えられませんが、未来はこれからやってきます。つまり、現時点で想像してしまう不都合な未来は、これからの行動で好ましいものに変えることができるのではないでしょうか

過去を少し振り返り、好ましい未来への道筋を“未来日記”として書く。これを自分に都合の良いタイムマシンにして明日を操縦してみてはと考えます。大層に書きましたが、これは真に温故知新です。
今に至る人生に運・不運はあったでしょうが、“親ガチャ”などの運命論で未来を固定するのはもったいない。
タイムリープのドラマは楽しみつつも、実際の人生では行動し、皆さんそれぞれのアレを目指してはと思った次第です。

ところで、もしも本当に過去にタイムリープ/タイムトラベルができるとすれば、どの時代に行って何をしたいか。
私は小学生の頃に戻り、8月15日までに夏休みの宿題を終わらせたい。そして、今も続く悪夢から解放されたい・・・。
(当コラム2023年8月25日号をご参照ください)

  • 未来日記は株式会社フューチャーマネジメント アンド イノベーションコンサルティング、株式会社TBSテレビの登録商標です。
  • 時をかける少女は株式会社KADOKAWAの登録商標です。
  • ドラえもんは株式会社小学館集英社プロダクションの登録商標です。
  • プラモデルは日本プラモデル工業協同組合の登録商標です。
  • 戦国自衛隊は清野佳子、株式会社KADOKAWAの登録商標です。
  • 日テレは日本テレビホールディングス株式会社の登録商標です。
  • TBSは株式会社TBSホールディングスの登録商標です。
  • FNSは株式会社フジテレビジョンの登録商標です。

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