春の夢のあるお話
~我が世の春よ早く来い♪♪~

執筆:役員室 山口 卓

日本の春といえば?

「春のうららの隅田川 上り下りの舟人が~♪♪」
皆様ご存じの、滝廉太郎作曲「春」の冒頭ですが、明治初め頃の隅田川は、
ビル街を流れる川じゃなくて景色ものどか。
うららかな気分で春の訪れを感じられたでしょう。
そして、子供たちは水温(ぬる)む川に素潜りで、活発に動き始めた魚を捕まえる。
今、素潜ったら鼻炎、結膜炎、腸炎の3点セットお土産頂戴になりそうですが・・。
その頃は、今と違ってエアコンもユカダンもない。
冬の寒さは格別で、あかぎれ・しもやけは当たり前。春の訪れは今の何倍もの喜びだったでしょう。
そこで今回は春に関係する名句・慣用句を紹介し、皆様と一緒に春を感じたいと思います。
日本の春と言えば「桜」。決して「スギ」ではありません。
まずは「桜」でお題を2つ、その後は「我が世の春」をエンジョイです。

世の中は三日見ぬ間の桜かな(江戸時代中期の俳句)

この句を見て皆さんどのように感じられますか?
日本人の多くは、3日見ないと花がすっかり散ってしまう、「世のはかなさ」に共感されるようです。
「花の命は短くて・・」なんでしょうね。でも実はこれ、作者は「いつの間にか桜の花が咲いていた」
と詠んだのだそうです。つまり、時の流れを楽しんで詠んだ一句なのです。
ところがいつの頃からか、「三日見ぬ間」のあわれに共感が集まり、却って句が評判になりました。
その結果、200年以上経った現代にまで句が伝わったのです。確かにどちらとも感じ取れますね。
解釈の相違とは言え、何が幸いする事やらです。
人生、出来事を悲観的に見るか、楽観的に見るかで運命が変わるそうです。
桜を見ながらチョッと人生を感じてみるか・・。含蓄が有りますねえ。

明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは

これは、浄土真宗の開祖、親鸞聖人が得度(とくど)された時の和歌と伝わっています。
明日で良いという心構えでは決意が吹飛ばされてしまう、と言う内容なのですが、
春のホンワカ気分とは真逆で、気の迷いと言う春の嵐で心が折れてはいけないとの決心を詠んでいます。
さすが我が国最大の門徒1千万人を超える浄土真宗ご開祖様です。
ところで、この時の親鸞聖人の年齢ご存じですか?なんと御年9歳。「えっ!これが9歳の言葉・・」。
10で神童、15で才子、20過ぎれば只の人どころか・・。やはり聖人と呼ばれる方は違いますなぁ。
南無阿弥陀仏・・。

我が世の春

辞書によれば「すべての事が思い通りになる、人生で最も得意で盛んな時期」の事を言うのだそうです。
「春は何が思い通りになるのだろう?」、盛んなら「我が世の夏」ではないのかなあと思ったりもしますが、
「我が世の春」には、「耐え忍ぶ寒さの後に花開く」が隠されていて、
「ついに我が世の春が来たぞ!」なのでしょうね。
苦労の末に自信に満ちた我が世の春の喜びです。ちなみに他の季節と「我が世」を当てはめると・・。
「我が世の秋」→なんとなくうら寂しい。
「我が世の冬」→人生厳しそう。う~ん、人生を四季で感じるのもなかなか難しいものですね(苦笑)。
「は~るよ来い、は~やく来い♪♪我が世の春よすぐおいで~」なんて神社でお願いしていると・・、「バカモノ~、甘い!」と神様からの叱責が・・。
「えっ!苦労が足りないって?ハハーっごもっとも!」猛勉強の先に「サクラサク」でしたよね(笑)。

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