「こんなの仕事の常識だろう!」
チョット待ってください、その言葉 ~職場の常識とDX化への雑感~

執筆:役員室 山口 卓

デジタル時代の今でも本当にそれは仕事の「常識」?

少し古いドラマのワンシーン。
「おい君。この報告書はネット情報のコピペじゃないか。情報は足で稼げ。これは仕事の常識だろう」。
ベテランリーダーが若手社員に指導をしていますが・・。チョット待ってください。
デジタル時代の今でも本当にそれは仕事の「常識」ですか?
なるほど、生きた現場情報はすごく大事です。
でもそれだけでデジタル時代の仕事のやり方として相応しいですか?指導にはもう一工夫要るような・・。
確かに「事件は会議室じゃなくて現場で起きている」ですがね。

「常識とは18歳までに積上げられた先入観の堆積に過ぎない」
皆さまご存じのアインシュタインの言葉です。
彼は20世紀初頭に科学の「常識」を打ち破って数多くの功績を残しました。
現代の職場でも歴代先輩諸氏が積上げた「仕事の常識」と思っている事が、
もう既に「先入観の堆積物」になって、職場の仕事に対する障害となっているかも知れませんね。
社内に「常識見直し委員会?」でも立上げますか(笑)。

「近頃の若い奴らは・・」人類の普遍的なDNA

さて、職場には毎年のように若手社員が入って来ますが、年代それぞれに彼らを表現した新語が出現しました。
新人類(1990年代)→ミレニアム世代(2000年代)そしてZ世代(2010~20年代)などです。
その中でも「新人類」と言う言葉は、どうひいき目に見てもバブル期に入社した職場の若手に対して、
会社の「常識」をわきまえていない「異端児・異星人」と揶揄している香りが漂います。
しかし着目すべきは、ちょうど新人類出現の頃、職場にパソコンが普及し始めた事です。
今や「常識」と言える仕事IT化の黎明期でしょう。
でも、仕事へのパソコン導入によってもたらされる省力化以外の価値を当時の経営層やベテラン管理職が
正しく理解していたかどうかです。
「近頃の若い奴らは仕事の常識を知らない。
すぐにパソコンに頼ってしまって、自分の頭で考える事をやらない。仕事の基本が分かっていない。」
なんて嘆かれた風潮でしたね。
「仕事は斯くあるべし」の岩盤「常識」の先入観が随所に横たわっていたような感じでした。
オマケに当時は日本国内で「24時間戦えますか」のCMソングがヒットして、
「仕事は根性だ!」が励賛された時代。さすがに今なら一発レッドカードですがね(笑)。

もっとも紀元前古代エジプトのファラオの墓の壁画の片隅に、
象形文字で「近頃の若い奴らは・・」と刻まれているらしいです。
「常識」に対する年配者の意識、これは人類の文明続く限り、古今東西、
普遍的な中高年世代のDNAでしょうかね。
そんな常識を若い頭脳と行動力が次々と打破って人類は進化したのかも知れませんが(想像です)。

若手社員が今後の働き方の「常識を」変える

最近は、色んな企業がDX人材育成を謳っています。
「DX」とはITを駆使して、ある意味仕事の「常識」をぶっ飛ばす事。
ITは瞬く間に信じられないほどの技術進化を遂げますが、さて従事するヒト(社員)が
その速度に反応してITを業務革新に取込んで行けるか・・。
この点ではZ世代人材は生まれついてコンピュータがお友達。
赤ん坊の時からベビーベッドの上でスマホにあやされて、スマホから流れるミュージックを聞き、
ディズニームービー配信を見て育った方々です。
もう既に「子守DX」の経験済世代かな(笑)。
昭和世代のように、むずかると、布団の上でプラスチックのガラガラであやされて
「ネンネンコロリや・・」の子守歌と、桃太郎の絵本で育てられた世代とは違いますからねえ・・。
よって仕事でどんどんITを駆使した新しいやり方を抵抗なく仕事に取り入れて行く素養大ですね。
そうなると、今や職場内での若手の見られ方が大きく変わります。
「ミレニアム世代」、ましてや「Z世代」は年配者に比べてはるかに自由にITを使いこなして
仕事が出来る(はず)。
「異星人」どころか新しい業務革新では「頼れる存在」と期待されますねえ。
若手社員が中心となって次々と職場の働き方「常識」を変えて行ってくれそうです(わくわく)。

最後に、シニア層の皆さまへ

さてさて、ベテランや管理職などの中高年の皆さま、あなたの働き方は如何ですか?
15世紀頃の、中世ヨーロッパの天動説と同様、未だに「今の職場での働き方が仕事の全ての中心」に
なってないでしょうか?
自らの頭を「時代に合わせて仕事のやり方は変わる」と柔軟に切替えて行くような、
コペルニクス的発想転換が出来ていますか?

「歳を取るとアタマが固くなって変化は難しいですよ。
それは「常識」でしょう!」なんて妙な開き直りは如何なものか・・。
いずれ、周囲では若手が中心となって、『毎年職場での仕事・働き方「常識」の見直しを行います。
それは「常識」ですよ』なんて事になるかも知れませんよ(笑)。
今やリモートワーク、フリーアドレス化でベテラン社員の窓際の座席確保も難しい時代(苦笑い)。
IT活用DXは進むとしても、逆に今まで自分で苦労して身に付けた豊富な仕事のノウハウと、
デジタル化だけでは分からない仕事の甘い辛いを知っている中高年社員の価値が一層高まるはずです。
やる気で頭を切替えればきっとまだまだ出番多いですよ。
政府が一生懸命唱えているデジタル対応リスキリングなんかも是非前向きに(激励)

ディズニーはディズニー エンタープライゼズ インクの登録商標です。
「24時間戦えますか」は第一三共ヘルスケア株式会社の登録商標です。

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