今年も味覚の秋がやって来ましたが、青魚と言うと皆さんどんなイメージでしょうか？
日本人には昔から馴染み深くて「安い」「健康に良い」ですが、一方で「小骨の処理が面倒だわ～」など、
奥様方にあまり有難がられない一面も有ります。
青魚には人間に必要な脂肪酸の一種のDHA、EPAが豊富に含まれています。
血液サラサラ、血管年齢老化防止に寄与する食材とも言われ、政府も消費推進派ですが、
国内消費量は伸び悩みとか・・。
古来から青魚に親しんで来た日本人としては何とかしたいですね。

実は筆者は元々営業職が長くて、お客様との会席の場が多かったです。
でも思い起こせば、料亭会席ではアジ・サバ・イワシなどの青魚料理はまず出されない。
高級感が感じられない訳ですね。
お値段の張る高級会席料理には「シタビラメの○○ソテー、△△風」なんかがメニューに並びます。
敢えて言えば、青魚仲間では、青魚感が抜けた「高級魚」と呼ばれる
マグロ、カンパチのお刺身がよく出されますね。
でも、上野のアメ横、大阪の黒門市場で
「安いよ安いよ～、お値段は勉強させて頂きまっせ～、3匹100円。買わな損やで～」
と、ﾀﾞﾐ声で売られている、このお安さがユーザーフレンドリーな大衆向け青魚たちは捨て難いですねえ。
国民の健康増進と国内漁業活性化の為にも何とか消費拡大を考えたいものです。

さて、青魚料理と言っても、青魚各々「持ち味」が有ります。ここで筆者が独断と偏見の一言寸評を。
イワシ：漁港近くでの春先の小イワシの取れ立て刺身は柔らかくてとろけそうな食感。絶妙です。
サンマ：晩秋、大根おろしを添えて醤油少々で塩焼きを食べれば、苦みと共に人生を感じるうまさが。
アジ：　ヒラキ、タタキ、塩焼き・・おいしい。サビキ釣りで簡単に釣れる小アジの南蛮漬けもグッド。
サバ：　油が乗ってふっくらしたサバの塩焼きは美味。サバ缶も、水煮、醬油煮、味噌煮、いけますねえ。
近年は、特にアジ・サバに関してはノルウェーから大ぶりで脂の乗った北大西洋産が大量に輸入されており、これは西洋風味料理にもアジャストしてご家庭で人気があるようです。「青い瞳のサバ」ですね。

話変わって、今やマーケティング観点では、
魚にブランド名を付けて差別化して販売するのが定番です。
例えば、タグを付けて売られる一杯1万円の「越前ガニ」、
正月には一本1億円の値が付く「大間マグロ」、
産地名ではないのですがレストランで行列が出来る、養殖の「近大マグロ」なんかも
全国的に有名なブランドです。
食べられる魚にとっては差別化などどうでもいいのでしょうが、
マスコミに取上げられる「商品名」が販売のキーとはビジネスの世界そのものです。
「それじゃあアジ・サバもネーミングして、ブランド化したらいいじゃないか・・。」 と、筆者はサバの味噌煮をつまみに一杯やりながら考えました。

「関アジ、関サバ」は有名ですが、この際もっとスケール大きくインターナショナルに、
ノルウェー産は「オーロラAJI」、「バイキングSABA」なんてどうでしょう？買ってみたくなりませんか？
「今晩はオーロラAJIバター風味ムニエルよ～」
なんてご家庭での料理高級感を醸し出してみれば、何となく食卓にスペシャル感が・・。
「うん、そりゃあいいよな・・」などと酒の勢いも借りて更に色々考えると、
お魚が踊りだす日本の童謡がヒラメキました。

「♪　乙姫様のご馳走に～、タイやヒラメの舞い踊り～♪♪」、
うん？青魚はどこに行った？
あちゃ～、浦島太郎の昔から我が国では会席料理オ・モ・テ・ナ・シにはアジ・サバは
お呼びでなかったのか・・。これではいけないな。それなら曲にこの歌詞を付加えよう。
「♪　乙姫様のご馳走は～、アジ・サバ・イワシの活造り～♪♪」。
どうでしょう、青魚消費拡大のイメージソングとして採用を・・。
「えっ、ダメだ？子供向け童謡に活造りが相応しくないって？」
ウ～ン、まあ活造りじゃ日本酒で一杯やりたくなりますからねえ・・。
などとそんなヤボなことは言わないで下さいよ。
「もっと食べよう青魚！　日本国民の健康増進と我が家のおサイフのために！」なんですから（笑）。