お江戸川柳お笑い旅
~(おふくろは もったいないが だましよい)~

執筆:役員室 山口 卓

え~、昔から川柳と落語は相性よく、噺家(はなしか)さんが、
落語のまくら(本題の前の、せけん話や小話)などに川柳をよく使います。
ついでに言っちゃえば、登場人物が、頑固おやじ、我が息子いのちの母親、道楽息子の組合せ、
というネタも沢山有ります(道楽娘のネタは殆どありませんが(笑))。
今回は、その3人の組合せでの落語・川柳作品を、筆者がブレンドしたお話にしてお届け致します。
どうぞ、お江戸の人の気持ちにどっぷり浸かってお楽しみ下さい。

お江戸川柳お笑いの旅へ!

「おふくろは もったいないが だましよい」なんて申しまして・・。
早速オレオレ詐欺みたいな川柳ですが、この句は、何とか家の金を引き出して遊ぼうとしている
道楽息子を詠んだ一句。母親は息子への情にもろく、つけ込みやすいけど、息子としてはちょっと後ろめたい。
この気持ちがよく出てますねえ。
その一方で「貯めたがる 使いたがるで 家がもめ」 小言親父と道楽息子の親子げんかが始まります。
儒教精神のこの時代、父親は「家の大黒柱」。家の財産管理は父親の大事な仕事ですし、
とにかく親父は家の中で権威を振りかざさないと示しがつかない。現代のイクメンパパとは違いますからねえ。
「バカヤロー、ノー天気にカネ使いやがって!お前に残すカネが減るじゃねーか」なんて怒鳴る父親。
その隣で母親はハラハラ。「おんな親 せがれの嘘を 足してやり」 と、助け舟。道楽息子の遊び金欲しさとは
分かっているのですが「お前さん、この子も殊勝に・・」なんて息子をかばう。
「ちょっとづつ 母手伝って ドラにする」。う~ん、江戸時代の川柳作家の観察眼は鋭いですねぇ。
ところがどっこい、息子もなかなかしたたか。「親父の説教聞くときは頭を下げな 下げりゃ説教が上を超す」
なんて受け身技を駆使。いやはや、これではいくら父親が顔真っ赤にして説教しても、
こりゃあ効き目ありませんわ。

現代でも通じるのでは・・・?

さてさてそこで、このお話から何かひらめきませんか?
ちょっと主語を変えれば、時を超えた現在でも似たような事ありませんかねえ・・。
「国民は もったいないが だましよい」なんて・・。選挙のたびにバラ色の夢を振りまく政治家の方々。
票が欲しい、しかしちょっと公約に後ろめたいところも有る。でも選挙の時、神妙に頭下げてりゃ、
どうせすぐに心移りの国民性だからな、なんて・・。そしてご丁寧にも、これに加えて、
「評論家 政治家の無理を 足してやり」てな方々がテレビで熱弁を振るわれる。
こんな組合せで政治されたら危なっかしくて仕方がない。「ノー天気にカネ使いやがって・・」ぐらい
誰か言ってあげないと、厄介な課題はみんな先送りでは、子供たちの世代は日本中借金まみれで
首が回らなくなっちゃいますよ。次世代の子供たちのためにも「未来への投資をよろしく」、ですよね。

ただ、さすがに江戸時代でもカネを野放図に使いまくる道楽息子に対する厳しい一句がございます。
「一生の お願い母 聞きあきる」仏の顔も三度までです。
現代の政治家さんたちも、「母」のところが「有権者」と置換わりになりませんようにお気を付け下さい。(喝)

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