まずはシニア社員向けに一句。

何とも苦笑いの一句ですが、誰の句かご存知ですか？
これはトンチ話で有名な室町時代の高僧、一休禅師が詠んだものです。昔の日本は正月で年を数えたので、今風に言えば「正月」は「誕生日」と同じ意味。さて、現代のシニア社員のあなたは・・、まさか「誕生日　定年までの　一里塚・・」なんて、誕生日に指折り数えてため息ついてませんよね？
若き日に血気盛んで会社業務の改革に燃え、「こんな会社辞めてやる！」ぐらい勢い込んでいたのは今いずこ、今やすっかり職場の好々爺。「アラ還」ならぬ「アラ定」のカウントダウン意識なんて・・。仕事にやりがい無くつまらないですか？困りましたねぇ。

そこでこういった方々に是非ご承知頂きたい名言が有ります。それは・・、

「楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ」
（ウイリアム ジェームス：19世紀アメリカの哲学者）。

「歳を取ったから遊ばなくなるのではない。遊ばなくなるから歳を取るのだ」
（ジョージバーナードショー：19～20世紀アイルランドの劇作家）。

こう言った考え方は「アズイフ（as if）の法則」と言われ、人は心と体が繋がっていて、「～のように振舞えば～のようになる」と言う心理学の理論です。要は「本人の思い込み」に「本人の行動」が支配されますよ、と言う事。現在「シニア社員活性化」が我が国各企業の大きな命題ですが、シニア社員たるもの、一つ奮起して、まずは次のような心構えで日々臨みたいものですね。

「歳を取ったから働けないのではない。働かないから歳を取るのだ」
「仕事が面白くないからやりがいが無いのではない。やりがいが無いから仕事が面白くないのだ」。

仕事のやりがいとは、達成感、成長、リターン（評価・報酬）が得られる時と言われています。行動無き処やりがい無しです。豊富な仕事経験が財産のあなた、ため息の前にまだまだ頑張れますよ！

このコロナ下での若手社員の悩み・不安と言えば、リモートワークによる精神的なストレスです。在宅勤務で会社と言うコミュニティーでの繋がりが欠如し、まだまだ仕事で揉まれた経験が不足している自分への能力・キャリア開発への不安感で、メンタル的にストレスを強く感じる若手社員が多いようです。
ビジネスマンが活き活きとやりがいを感じて働くには「自己効力感」が必要です。「自己効力感」とは一言で言えば「やれば出来る」と言う自分に対する自信です。
この自信・信念は、
①自分自身の経験による学習、②他者を観察する事での学習、で身に付くものだ、とスタンフォード大学のバンデューラ教授が唱えています。
また、バンデューラ理論をベースに、同大学のクランボルツ教授が「計画された偶然性」と言う考え方を提唱しています。
①好奇心、②持続性、③柔軟性、④楽観性、⑤冒険心、これらを持ち合せて日々臨めば、予期せず偶然起こった出来事でさえも自分のキャリアに取込んで、これが自己成長へ繋がる、と言う考え方です。
この説は近年世界中のビジネス界で共感を呼んでいます。

と言います。コロナ禍も終息方向。これからまた働き方も変わります。
気持ちの持ち方一つです。改めて自ら仕事に取組み、経験を積んで、更には先輩方の知見を学び、「自己効力感」を高めながら仕事に臨む。偶然のチャンスは必ず有るので、それを前向きに捉えて自分に取込む事です。きっと悩みや不安が何処かに飛んで行きますよ。
但し、偶然のチャンスを待つと言って若いのに努力も苦労もせず、他人頼み、神頼みで自己効力感を高めたいなんて言うのは・・。さすがにこれはちょっとムシが良すぎ。
「天は自ら助くる者を助く」。古今東西、これが仕事に限らず成功する人の鉄則です。
この点はくれぐれもお間違え無きように（笑）。