三菱電機株式会社 プロセス・オペレーション改革本部様

ワークフロー基盤「MELGIT-WF」導入事例

三菱電機グループ10万人以上が利用するワークフロー基盤を約3ヵ月で構築
ペーパーレス化とテレワーク領域の拡大に貢献

三菱電機株式会社は、2020年に三菱電機グループ全体で利用するワークフロー基盤「MELGIT-WF」を構築しました。これにより、申請・承認業務のオンライン化を実現し、ペーパーレス化やテレワーク領域の拡大に大きく貢献しています。このワークフロー基盤は、ワークフローパッケージ「楽々WorkflowII」をベースに、三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)の支援のもと、わずか3ヵ月で構築し、2023年12月時点で10万人以上が利用しています。

三菱電機株式会社 プロセス・オペレーション改革本部様

プロセス・オペレーション改革本部
ITシステム推進室 システム基盤部
技術推進グループ
小瀧 義久 氏

プロセス・オペレーション改革本部
ITシステム推進室 システム基盤部
技術推進グループ
杉本 留菜 氏

導入背景

10万人以上が利用する日常業務に欠かせないシステム

「MELGIT-WF」は、三菱電機グループ全体で利用されるワークフロー基盤です。福利厚生の利用申請、入館証の発行申請、取引先との受発注、会議の議事録、工場の品質管理など、多種多様な申請・承認手続きをオンラインで実施できます。

ITシステム推進室 システム基盤部 技術推進グループの小瀧義久氏はMELGIT-WF開発の背景を次のように語ります。

「三菱電機では以前から独自のワークフローシステムによるペーパーレス化を推進していました。しかし、従来のワークフローシステムは構築から20年以上経過しており、これ以上の拡張が難しいため、新しいシステムが必要だと考えていました。そこに新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、急遽テレワークにシフトする必要に迫られ、一気に導入を進めることになりました」

プロセス・オペレーション改革本部 ITシステム推進室 システム基盤部 技術推進グループの杉本留菜氏はユーザーからも新システム導入への強い要望があったといいます。

「テレワーク環境が整っても、結局ハンコを押すために出社しなければならない、テレワーク環境から直接申請・承認ができるようにして欲しい、という要望が多く寄せられていました」

選定ポイント

“市民開発”が可能なパッケージ製品と豊富な実績を持つパートナーを選定

MELGIT-WFの核となるワークフローパッケージ「楽々WorkflowII」(住友電工情報システム)は三菱電機グループクラウド(Amazon Web Services(AWS))上で構築・運用しています。楽々WorkflowIIを選択した理由は大企業の複雑な組織構造に対応できること、ユーザー自身がワークフロー(申請・承認手続き)を開発する“市民開発”が可能な点でした。

「新しいワークフローシステムの重要なコンセプトが、社員全員がワークフローを開発し、情報システム部門だけに頼らず、自分たちで業務改善ができるようにすることでした」(杉本氏)

開発および運用のパートナーとしてはMINDが選ばれました。MINDには、楽々WorkflowIIによるワークフローシステムの構築・運用、AWS上に構築されたサーバー・サービス群の構築・運用、楽々WorkflowII上で動作するワークフローアプリケーションの開発、さらに10万人にのぼるユーザーへのサポートを委託しています。

「MINDをパートナーとした一番の理由は、長年、独自のワークフローシステムの開発を手掛けてきた実績があることです。パッケージ製品を使ったシステム構築でも、その経験値のもたらすメリットは計り知れません。MINDのエンジニアはパッケージ製品の振る舞いを知っているだけでなく、ワークフローシステムの仕組みをも本質的に理解し、設計・開発・運用にあたっていました。そこが他社と大きく違うところでした」(小瀧氏)

導入効果

構築開始から3ヵ月で運用を開始
導入後はスムーズに定着

MELGIT-WFは、2020年の7月に開発をスタートし約3ヵ月という短期間で運用を開始しました。

「コロナ禍という非常時にあたって、MINDのエンジニアは、ベストを尽くしてシステム構築を完遂していただけました。構築過程での重要なポイントは、まず早期にインフラを構築してワークフローパッケージをインストールすること、そして人事情報データベースとワークフローシステムを正しく接続することでした」(小瀧氏)

三菱電機のような規模の会社は組織構造が複雑です。本社、支社、事業本部、製作所、関係会社など様々な組織があり、それぞれ承認経路が異なります。楽々WorkflowIIは複雑な組織構造に対応できますが、実際に大規模な人事情報データベースとワークフローシステムをつなぐためには様々なノウハウが必要になります。この工程では、長年三菱電機グループ全体に対してワークフローシステムを提供してきたMINDの知識・知見が必要不可欠でした。

システムの細かなパラメーター設定でもMINDの知見が役立ったといいます。

「ワークフローシステムには、承認経路の設定や文書の保存期間、あるいは文書の連番の付け方など、細かいパラメーターがたくさんありますが、経験がないとひとつの設定を決めるだけでも一筋縄ではいきません。そんな場合にも経験豊富なMINDの知見が役に立ちました」(小瀧氏)

運用開始とともに、新ワークフローシステムがユーザーに活用されるよう、様々な普及・定着活動が行われました。ワークフロー専用の情報共有サイトを立上げ、マニュアルやワークフローを自作する方法など必要な情報を一ヵ所に集約しました。また、ワークフローの作り方を教えるオンライン講習会も実施しました。

「自らワークフローを開発するユーザーの拡大には、特に力を入れて取り組みました。講習会に参加した方から“意外に簡単にできるよ”という口コミが広がったこともあり、ワークフロー開発に取り組むユーザーが増えていきました。自分たちの手で業務を効率化できるという意識改革にもつながりました」(杉本氏)

また、社内SNSを使ったユーザーサポートや情報共有も行われました。市民開発では、質問にすぐに答えられる窓口の存在が重要だったといいます。

「ユーザーは開発で行き詰ると諦めてしまいます。分からないことがあった時、サポート窓口が素早く的確な答えを返すことで開発のモチベーションを維持することができました。MINDのユーザーサポートからは常にスピーディーで的確な回答が返ってきます。こんなこともできますといった追加の情報も記載してくれることがあり、市民開発に取り組むユーザーの大きな手助けとなっています」(杉本氏)

現在、システムに登録されているワークフローの数は1万件を超えています。処理された文書は累計で350万件。従来は紙とハンコで行われていた業務の多くがペーパーレス化され、テレワーク業務の利便性にもつながりました。

今後の展望

豊富な経験で大規模ワークフローシステムを支えるワンストップサービス

MELGIT-WFは楽々WorkflowIIユーザーの中でも大規模なシステムであり、ワークフロー利用が普及するのに合わせて、インフラを増強していきました。機能的にも電子帳簿保存法対応のワークフローが提供されるなど、適用可能な業務が拡大しました。

運用でポイントとなった部分は人事異動に伴う組織情報の更新です。

「通常の異動には日々の自動更新で対応できますが、年2回の大規模な人事異動の際には更新するデータの量が多く、通常の自動実行スケジュールでは対応しきれないため、手動で更新プログラムを動かします。MINDには、始業に間に合うようにワーフクローの組織情報の更新を周到に計画、実行いただいています」(小瀧氏)

MELGIT-WFの構築、運用におけるMINDとのパートナーシップについて、小瀧氏は次のように評価します。

「MINDにはクラウドインフラ構築・運用からワークフローシステム、アプリケーションの開発・運用、ユーザーサポートと多くの業務を委託していますが、どの分野でもプロフェッショナルな仕事をしてくれます。MELGIT-WFのように市民開発を含む大規模ワークフローシステムでは、設計、開発、運用を明確に切り分けることが難しいですが、MINDのようなすべての要素に経験豊富かつワンストップで依頼できるパートナーと組むメリットが大きいです」

ワークフローシステムの今後について杉本氏は次のように語ります。

「ユーザーやワークフローの数は現在も増え続けているので、将来的な負荷を予測しながらインフラの増強などを進めていきます。これから先、長く使うものなので、長期的視野に立って多くのユーザーの役に立つものにしていきたいです」