ブラステル株式会社様

MINDデータセンター導入事例

高信頼性とサポートの良さから20年以上にわたりMIND データセンターを利用。国内の外国人・法人向けに各種サービスを提供

国際電話サービス事業、クラウド型IP電話サービス事業、国際送金事業などを展開するブラステル株式会社。同社は2002年に日本のPSTN(公衆交換電話網)との相互接続を実現するにあたり、三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)のデータセンターを採用。以来、20年以上にわたりMINDデータセンターを利用しています。現在、国内外の通信会社21社との接続により国際電話サービスの拡大を図りながら、時代に即した新規サービスを次々と打ち出し、事業の多角化を進めています。

ブラステル株式会社様

代表取締役
川合 健司 氏

代表取締役
田辺 淳治 氏

システム部 システムプランナー
坂口 クラウジオ トシオ 氏

導入背景

日系ブラジル人向けの国際電話サービス事業者として設立

ブラステルは、代表取締役の川合健司氏と田辺淳治氏の2名により1996年に設立されました。両氏は共にブラジル生まれの日系2世で、1980年代に来日して以来、日本在住のブラジル人や日系2世・3世向けに広告代理店事業や通信販売事業など様々な事業を手掛けてきました。そして日系ブラジル人向けの国際電話サービス事業者として立ち上げたのがブラステルです。

設立の背景には、1990年に入国管理法が改正され、日系ブラジル人の来日が急増したことがあります。当時、日本からブラジルへの国際通話は1分360円と高額で、気軽に利用できるものではありませんでした。そこで、両氏は、「コールバックシステム」に着目し、約半分の料金で通話ができる国際電話サービスを開始しました。コールバックシステムとは、日本より通話料金が安いアメリカに電話をかけ、アメリカ側のシステムからコールバックを受けてブラジルと通話するものです。川合氏は「在日ブラジル人の助けになりたいという思いで国際電話サービス事業を開始しました」と語ります。

同社の国際電話サービスの評判は、ブラジルにとどまらず、瞬く間に多くの在日外国人コミュニティに浸透していきました。その後、規制緩和が進んだことから1998年に国際電信電話株式会社(現、KDDI)との接続を実現し、国内発信システムによる国際電話サービスを開始。2000年には全国のコンビニエンスストアでチャージができるリチャージャブル方式の国際電話プリペイドカード「ブラステルスマートフォンカード」(現、ブラステルカード)をリリースし、事業を拡大していきました。

選定ポイント

国内PSTNとの相互接続に合わせてMINDデータセンターに移行

2002年になると、同社は一般第二種通信事業者としては初めて、NTT東日本、NTTコミュニケーションズ、フュージョン・コミュニケーションズ(現、楽天モバイル)、携帯電話事業者などの主要キャリアによって管理されるPSTN(公衆交換電話網)との相互接続を実現し、これを機に同社のサービスを支えるシステムをすべてMINDデータセンターに移行しました。システム部 システムプランナーの坂口 クラウジオ トシオ氏は移行の経緯を次のように語ります。

「移行前はKDDIとの接続だけでしたので、KDDIのデータセンターを間借りしていました。しかし、より高品質のサービスを提供するためにはマルチキャリア対応が求められます。そこで、複数のデータセンターを検討した中から、PSTNとの相互接続に対応しているMINDデータセンターを採用しました」

MINDデータセンターを採用した大きな理由は、キャリアフリーであり、安価に利用できることがありました。キャリアフリーに対応していないデータセンターの場合、他キャリアとの接続には利用料が高額となることがありますが、キャリアフリーであればその心配はありません。

「当社では、複数のキャリアと接続し、電話をかける地域に応じて安価な回線を選んで高品質の電話サービスを提供することをポリシーとしています。そのためにも、マルチキャリアに対応しているMINDデータセンターの利用は必須でした」(川合氏)

現在は、MINDデータセンターから国内外の通信会社21社と結び、日本から200以上の国と地域に向けた国際通話を実現しています。フィリピン、タイ、ブラジルなど7ヵ国にコールセンターを置き、15以上の言語でカスタマーサービスを提供しています。

導入効果

事業の多角化に向けて法人向けIP電話や国際送金を開始

MINDデータセンターに移行後、国際電話サービスは順調に成長を遂げてきましたが、次第に電話サービスがアナログ回線からIPネットワークへとシフトしていきます。そこで同社は音声のIP化に着目し、2004年から法人企業向け新サービス事業に乗り出しました。2007年4月には法人企業向けIP電話サービス「Basix(ベーシックス)」をリリースし、2本目の事業の柱とすることを目指しました。

「Basixは、お客様が物理的なPBXを保有することなく、クラウドを介して利用するIP電話サービスです。工事などの初期費用がかからず、通話料金も安価に抑えることができます。リリースから15年間で導入実績は4,000社以上と、日系、外資系問わず多くの企業に採用されています」(川合氏)

2012年には事業の3本目の柱として、外国人向けの国際送金事業に参入し、「Brastel Remit (ブラステルレミット)」の名称でサービス提供を開始しました。2017年にはスマートフォンから100ヵ国以上の国にいつでも送金ができる国際送金アプリをリリースしました。田辺氏は「おかげさまで多くのお客様に利用いただいています」と語ります。

今後の展望

20年以上にわたり利用し続けている理由は技術者とのコミュニケーションと信頼感

現在、国際電話、法人向けIP電話、海外送金の主力3事業をはじめ、個人向け電話アプリMy050など同社のサービスを支えるすべてのシステムや一部の自社用業務システムは、MINDデータセンターで運用しています。現在十数本のラックを利用し、サーバーはすべて仮想化されています。

同社が20年以上にわたり、MINDデータセンターを利用し続けている理由は、東京本社がある墨田区から距離が近く、信頼できるスタッフに相談しやすいことにあるといいます。

「複数のキャリアと接続している当社では、予期しない事態が発生することがあります。その際、データセンターに出向き、MINDの技術スタッフに直接相談に乗ってもらいながら、原因を調べられるのが一番のメリットです。技術スタッフとは、フレンドリーに会話ができ、スピーディに対応していただけるので非常に助かっています」(坂口氏)

また、2011年の東日本大震災ではサービスを停止することなく安定的に運用を続けられ、2020年からの新型コロナウイルス感染症の影響などで本社に出社できないこともありましたが、データセンターにアクセスすることでスピーディにテレワークに対応することもできました。

川合氏はMINDデータセンターに対する評価として、一番に信頼感を挙げて次のように語ります。

「20年以上のお付き合いを通して蓄積されてきた信頼感と、安定的にサービスを提供していただいている実績があるので、他のデータセンターに乗り換えることは考えられません。ブラステルを支える基盤として、MINDには引き続きの支援を期待しています」

現在は、PSTNからIP網に完全移行する2025年に向けて、新たなサーバー環境の構築などを進めています。今後は、国際電話、法人向けIP電話、国際送金の3事業を、サービス強化によってさらなる拡大を図るほか、第4の柱となる新規事業の展開を計画しています。

「新たな主力事業の創出に向けて、様々な技術をウォッチしながらインハウスで開発し、誰でも使いやすいサービスを提供していきます」(田辺氏)

ブラステルは、お客様の利便性を中心に考え、そのために必要な機能を開発しながら、ビジネスの拡大を進めていきます。

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