情シスはITの何でも屋? 情シスあるあるの解決で「攻めのIT」へ

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2024年2月21日

DXやIT化が加速する中、情報システム部門は企業において重要な役割を果たしています。しかし、情シスに対応できる業務範囲や必要な組織体制を社内で理解してもらえず、業務負担は増え続けています。今回は、情シス担当者の多くが経験する、よく遭遇する現場の問題を「情シス”あるある”」として整理し、情シスに対する誤解を解きつつ、あるあるの改善策について解説します。

① 情シスの本来の役割はITインフラ整備やシステム企画

これまで情シスは、社内のITインフラや基幹システムの構築・運用・保守、システムの企画・開発、サポート・ヘルプデスクといった「守りのIT」を主な業務としてきました。

自社サーバーやネットワークの構築・運用・保守に加え、情報漏えいなどのセキュリティーインシデントから保護する手立てを講じることも役割の一つです。ユーザーの要望や業務プロセスの変化に合わせて、基幹システムの変更も担当します。

また、経営戦略や事業戦略に沿ったシステムの案件定義から見積り、導入までを担うほか、従業員が円滑に業務に取り組めるようソフトとハードの両面のサポート・ヘルプデスクとしても機能しています。

しかし、昨今ではDXやIT化を背景に、「攻めのIT」としての役割を求められるようになっています。ここで言う「攻めのIT」とは、社内のデータをシステムに蓄積、分析し、情シス側から経営サイドに事業戦略を提案するような積極的なアプローチです。

例えば、顧客データの行動分析から新たなマーケットを発掘する、生産工程のボトルネックを見つけ業務効率を改善するなど、社内システムの保守運用に注力する、いわゆる「守りのIT」ではなく、企業の収益に直結する働きかけをしていきます。

「攻めのIT」で業務効率や収益の改善につなげることは可能ですが、現実には「守りのIT」に終始する情シスも少なくありません。

② 問い合わせ対応の情シスあるある

具体的な情シスの業務内容は、そのほとんどがITに関する顧客や従業員からの問い合わせ対応です。操作手順の案内をはじめとする簡単な内容もあれば、障害対応のような解決に時間を要すケースまでさまざまです。

  1. パスワードに関する問い合わせ

    特に多い相談は、パスワードの確認やリセットの対応です。定期的にパスワードを変更するシステム設定では、新たなパスワードを忘れる人が続出することもあります。PCやタブレットなどのデバイスに加え、基幹システムのパスワードでも対応を求められます。

  2. ネットワークがつながらない・遅延が発生する

    社内ネットワークは、ケーブル規格やネットワークの通信速度、OSやシステムのアップデートなどさまざまな要因により不具合が発生します。インターネット回線の見直しやローカルブレイクアウト機能の活用といった方法で解決します。

  3. テレワークに伴う環境設定

    近年では、急増したテレワークに伴うトラブル対応や機器設定にも追われています。代表的な対応に、セキュリティー対策のためのVPN接続設定や、ビデオ通話時の映像・音声の調整が挙げられます。

  4. PCのパフォーマンス改善

    PCのパフォーマンス低下も業務の妨げとなるため、その解決を情シスが担うこともあります。パフォーマンス低下の原因は、古いバージョンのアプリやデータ空き容量の減少などに起因することが多く、いずれも緊急性はないものの、早期に対応しなければ生産性や業務効率が上がらず、従業員のフラストレーションも溜まってしまいます。

  5. システムのバグ修正

    OSやシステムアップデート後に多発するバグにも対処する必要があります。特にインターネット接続やアプリケーションに関する不具合では、原因を特定するだけでも多大な時間を要します。ただ、システム障害はサービスや業務に影響を及ぼす可能性があるため、迅速に解決しなければなりません。

この他にも従業員が使用するデバイスの修理など、広範囲にわたる業務を処理する必要があるため、問い合わせ対応だけで1日の業務が終わることも珍しくないでしょう。

④ 業務上の情シスあるある

情シスは社内から「IT関連の何でも屋」というイメージを持たれ、依頼すれば大抵のことを解決してくれると思われがちです。ただ、一口にITと言ってもその領域は幅広く、情シス担当者の専門領域にも限りがあります。中にはIT未経験にも関わらず、人手不足ゆえに情シスと他の業務を兼任する人もいます。IT関連のトラブルは真っ先に情シスに相談されるため、専門外でも調べて対応しなければならない場面も少なくありません。

情シスの組織体制には、少人数でIT業務を回す「ひとり情シス」や、他業務と兼任する「ゼロ情シス」が存在します。こうした体制は企業規模が数十名の企業に多く見られますが、中堅規模以上の企業でもひとり情シスであることは珍しくありません。

少人数では業務を抱えきれず、人手不足による業務の属人化を招きます。例えば、システム関連のドキュメントは効率的に業務を遂行するうえで欠かせませんが、日々の業務に追われてドキュメントを作成できず、ノウハウを言語化できません。このまま担当者が離職すれば、引き継ぎもままならず、新任者がやり方を一から学び直す必要があります。

なぜ、ひとり情シスやゼロ情シスの体制が敷かれているのでしょうか。背景にはIT人材不足や情シスの軽視、コスト削減などが考えられます。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)によると、ITスキルを持つDX人材の不足について「大幅に不足している」「やや不足している」と回答した日本企業は2022年度で83.5%でした。同年度の米国の22.6%と比べ明らかに人材が足りていません。人手不足でも有能な人材を確保するためには、見合った給与待遇の求人を出す必要があります。ですが、情シスは営業部門や製造部門のように直接収益を上げる部門ではないため、コスト削減の対象になりやすく、魅力的な条件を提示できなければ募集も難しくなります。

※【出典】IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)「DX白書2023 図表1-21 DXを推進する人材の『量』の確保

また、経営者の中にはITへの理解が乏しい方もいます。そういった場合、情シスをコストセンター扱いし、業務を遂行しても「できて当たり前」と成果を評価しないケースも見られます。経営サイドの意思決定に振り回され、正しく評価されないことで不満の溜まった担当者が離職し、さらなる人手不足に陥ってしまうでしょう。

こういった状況では事業企画のような「攻めのIT」に割くリソースはなく、DXやIT化の推進という課題が延々と放置されかねません。

⑤ 情シスの業務負担を軽減するMINDのソリューション

情シスあるあるを改善するためには、経営者に情シスへの理解を促す、人員を増やす以外にも、業務負担を軽減できるソリューションを活用することが重要です。

MINDでは、「統合運用フィールドサービス」と「ITインフラコンサルサービス」の2つのソリューションを提供しています。

「統合運用フィールドサービス」は、ICTシステムを安定稼働させるため、24時間365日体制で、専門エンジニアがシステムの運用・監視・保守を行うサービスです。早朝や深夜など時間帯を問わず、障害対応も行うことで人員のスリム化を図れます。

25年を超えるシステム運用の実績、知見を生かしたサポートにより、システム障害の発生を未然に防ぎ、万が一の際にもすばやく保守エンジニアを派遣し、復旧までの時間を短縮してビジネスへの影響を最小限に留めます。また、蓄積された監視データを現状把握や将来のシステム拡張計画に役立てることも可能です。

MINDの「ITインフラコンサルサービス」は、各企業にとって最適なITインフラ整備をサポートします。現状の課題を可視化し、優先して改善すべきテーマを明確にすることで、早期のIT改革を実現可能です。

お客様の利用環境に合わせて、次期インフラに向けたロードマップを策定。経営層や予算化のための説明資料としても活用いただけます。ITインフラの設計・構築・運用保守までワンストップでサポート可能で、豊富な実績と高い技術力を有すITシステムエンジニアがコンサルティングします。

進化し続けるMINDのソリューションで、情シスあるあるで挙げた課題を解決し、「守りのIT」から「攻めのIT」に転じる契機としてはいかがでしょうか。

  • IPAは独立行政法人情報処理推進機構の商標登録です。

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