コロナを乗り越えた企業の通信インフラのあるべき姿とは?

  • #リモートワークのための最適化
  • #通信インフラのアップグレード
  • #SD-WAN
  • #ゼロトラスト

2023年12月22日

2019年末から急速に拡大した新型コロナウイルス感染症は、2023年5月の感染症分類「5類」への移行により、アフターコロナのフェーズに入りました。企業活動もコロナ以前に戻りつつある中、企業内の通信インフラ(社内LAN、拠点間WAN、セキュリティー対策)も従来から進化しています。
本コラムでは、企業の通信インフラの変遷と、アフターコロナでの課題と対策、企業として目指す通信インフラの方向性を考察します。
ネットワークが安定せず業務に支障が出ている、セキュリティー対策が不安など、通信インフラにお悩みをお持ちの企業の情報システム部門の方は、ぜひご覧ください。

必要に迫られた通信インフラの変化

企業の通信インフラはコロナ前後でどう変化したのか、整理します。

・需要の急増
これまで、リモートワークやクラウドサービスの利用が限定的であったため、通信インフラにはそれほどの負荷がかかっていませんでしたが、多くの従業員が在宅勤務を余儀なくされたことで、リモートワークやオンライン会議などの需要が急増し、通信インフラに大きな負荷がかかるようになりました。

・DXの促進
大手企業を中心にデジタル化に取り組みを進行中でしたが、一部の企業にとっては導入が進んでいない状態でした。しかし、リモートワークやクラウドサービスの利用への対応や、さらにはこれに合わせた業務変革の必要性が発生し、多くの企業が急速にデジタルシフト、DX化を進めるようになりました。

・通信手段の多様化
出社を前提としていたため、オフィス内の社内ネットワークの利用が中心で、コミュニケーションはメールや電話が主流でしたが、クラウドサービス、ビデオ会議、コラボレーションツールなど、さまざまなコミュニケーション手段が普及し、さらにPC以外にもスマートフォンやタブレットなど様々なデバイスでアクセスできる環境も整い、柔軟な働き方が可能になりました。

アフターコロナにおける通信インフラの課題と対策

このように企業の通信インフラは、コロナ前後で大きく変化しましたが、アフターコロナでインフラを利用することで見えてきた新たな課題もあるようです。具体的な対策と合わせて見ていきます。

・持続的な需要の増加
リモートワークやクラウドサービスの利用が定着し、利用ニーズが継続・増加すると見込まれており、ニーズに耐えられる高品質な通信インフラが求められます。
対策としては、回線の増強・高速化や、SD-WANなどの新技術を用いた負荷分散が必要になります。

・セキュリティーの強化
場所やデバイスを選ばずリモートでの業務参加が可能になり、守るべきポイントも増加する事から、セキュリティーの穴が出来やすい傾向にあります。
対策としては、これまでの境界型セキュリティーだけではなく、ゼロトラスト型セキュリティーの実装や、新たな脅威に対応するセキュリティーポリシーの策定、従業員のセキュリティー教育の強化などが挙げられます。

・デジタル格差の是正
企業内でも、リモートワークが一般化した部門と、そうでない出社前提の部門が混在し、デジタルデバイドが生じているケースがあります。
対策としては、全社への均一的なデジタルスキル教育の促進や、リモート環境の追加整備などが挙げられます。

これらの課題を一つずつ対策することによって、将来のパンデミックへ迅速に対応できるだけでなく、業務に応じてオフィス・リモートを使い分けるハイブリッドワークを実現でき、業務の生産性を向上させることができます。

企業の通信インフラの将来は?

企業の通信インフラは、これまで以上に柔軟性、安定性、セキュリティー、効率性が重視されます。以下に将来目指すべき通信インフラの特徴を挙げてみます。

  1. 柔軟性とスケーラビリティ
    クラウドネイティブなアーキテクチャの導入により、需要の変動に柔軟かつ迅速に対応できるようにします。インフラのスケーリングが自動化され、リソースの効率的な利用が可能となります。

  2. リモートワークのための最適化
    リモートワークに特化した通信インフラが整備され、オンラインコラボレーションやビデオ会議、クラウドサービスがスムーズに利用できるようになります。低遅延で高品質な通信が提供され、リモートワーカーの生産性向上が支援されます。

  3. セキュリティーの統合
    セキュリティーは設計段階から統合され、エンドツーエンドで保護される仕組みを構築します。ユーザー認証やデータの暗号化、侵入検知などのセキュリティー機能が包括的に実施されます。

  4. データ分析と予測
    通信インフラから得られるデータが活用され、通信のパフォーマンスやセキュリティーインシデントの分析が行われます。予測分析を通じて将来の需要を予測し、リソースの最適な配置やセキュリティー対策の強化が行われます。

企業の通信インフラを段階的にアップグレード

前述の特徴を持つ通信インフラは、企業が変化する環境に柔軟に対応し、競争力を維持・強化する上で重要です。企業は将来の不確実性に備えつつ、通信インフラを構築・強化していくことが求められます。

優先度が高く比較的スピーディーに着手できるのは、SD-WANでの「柔軟性とスケーラビリティ」および「リモートワークのための最適化」の実現と、ゼロトラストでの「セキュリティーの統合」でしょう。
日々の業務は止められません。遅延や途切れのない安定した通信品質を確保するためにはSD-WANの実装が最適です。また、ランサムウェアをはじめとした様々なセキュリティーの脅威には、共通のセキュリティーポリシーで包括的なセキュリティー対策ができるゼロトラストの導入が必須です。

しかし、これらを実装するのは時間と費用が掛かり困難を極めます。通信インフラの長期的な投資計画と効果を見極め、優先順位を付けて実装していくのが望ましいでしょう。自社だけで判断が付かない場合は、外部SIベンダに相談しながら導入検討することも一つの方法です。
MINDは、社内LANや拠点間WAN、セキュリティー対策など、企業ごとに異なる構成や利用状況を調査し、アップグレードに向けた最適な提案が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

  • SD-WAN:Software Defined-Wide Area Network

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