シリコンバレーだより5
アメリカシリコンバレー近況と注目ソリューション

  • #IT/AI人材不足対策
  • #Generative AI活用
  • #アウトソース活用

2023年11月27日

MIND ITリサーチオフィス(以下ITRと呼ぶ)は、2005年10月に米国最新技術動向を調査することを目的として、米国カリフォルニア州シリコンバレー地区に設立されました。その後15年以上シリコンバレーにオフィスを構え、米国技術動向の調査を行っております。
シリコンバレーのオフィスは、三菱電機のイノベーションチームと共に15名程度が在籍し、MIND ITリサーチオフィスとしては、現在1名体制で調査活動を実施しております。
主なテーマはITインフラに関わる技術動向で、クラウドやセキュリティー、ネットワークなど多岐にわたる領域を対象としており、最近ではGenerative AI活用の調査も行っております。

シリコンバレー近況

昨年12月に米国に赴任してから、早くも10か月が経ち、日本との違いを日々感じています。
その1、初めて家で冷房を使わない夏を過ごしました!
シリコンバレーでも夏は30度を超える日が続いたのですが、乾燥しているため(実際5月以降雨に逢っていません。なぜかラスベガスでは大雨を経験しましたが。)日陰では比較的涼しく感じ、また夜も気温が下がります。
その2、エレベーターが直らない!
私のアパートでは部屋から一番近いエレベーターが壊れてから既に1月が経ちます。2番目に近いエレベーターも駐車場階へのボタンが壊れたため、今は少し遠いところまで行って駐車場へ降りています。街を歩いているとエスカレーターが止まっていることも多く、こちらでは設備が故障した際、日本より復旧に時間がかかるイメージです。
その3、広い!
シリコンバレーからニューヨークへ出張に行くと、飛行機5時間に加え時差で3時間プラスされます。国内なのに、移動だけで丸1日かかりますね。
このように、気候・風土が異なる国ですが、企業文化もやはり日本とは異なります。

企業文化の違い

企業文化で違いを感じることの1つは雇用体系です。日本ではまだ終身雇用が多いですが、米国ではより流動的です。人材が不足するとそのスキルを持った人を新しく雇い、逆に業績悪化やそのスキルが不要になると解雇されやすいです。実施、昨年末から年初にかけては、大規模なレイオフが大手ITで発表されました。しかし、従業員側も常に転職の機会を探したり、退職金でこれまで企業内ではできなかった新しいイノベーションを実施するためスタートアップを立ち上げたりと、前向きにチャンスを掴めるように働いている感じを受けます。しかし、雇用体系の違う日本と米国ですが、同じ問題も抱えています。それは、IT人材そして最近ではAI人材の不足とそれに伴う人件費高騰です。

この問題の解決策として、最近注目されているのがXDR(Extended Detection and Response)とManaged Serviceという2つのソリューションです。

XDR(Extended Detection and Response)によるサイバーセキュリティー

米国では自社でSOC (Security Operation Center)やNOC(Network Operation Center)を持つことも多いのですが、ITインフラ人材の不足は懸念です。特に中小企業にとっては、複雑化し続けるITインフラに対応するのが困難になってきています。
そこで、エンドポイントからネットワーク、クラウドまであらゆるセキュリティーデータを収集・分析し、高度なサイバー攻撃を検知、自動的に対処するXDRの導入が進んでいます。特にGenerative AIが登場したことにより、それが利用されたより広範囲かつ高度化したサイバー攻撃が増えたことにより、人だけでサイバーセキュリティーを実現するのではなく、防御側もAI(Generative AI)/MLが活用されたXDRの様なソリューションを使うことで、企業を守ろうとしています。
現在XDRは流行期と呼ばれる時期に達していますが、まだベンダーに寄って定義が不明確であったり、ベンダー間の互換性や統統合性が低いという課題もあります。しかし、最近では様々なベンダーがXDR機能を拡充しており、またGenerative AI機能を盛り込むことでより使いやすく効果的なソリューションが出てきていますので、今後さらに導入は進むと思われます。

Managed Serviceによるアウトソース

2つ目は、Managed Serviceです。これには一般的なサービスとしてユーザーがシステムの設計・構築を行い、MSP(Managed Service Provider)がシステムの監視・保守を行うタイプと、Full Managed Serviceと呼ばれるMSPがシステム設計から運用までを行うタイプに分けられます。
ゼロトラストやマルチクラウド環境を実現するためのセキュリティー・ネットワーク・クラウドはどんどん複雑化してきており、それに全て対応できる人材を企業が準備することは難しくなってきています。米国では従来これらをアウトソースするという考えは弱かったのですが、現在そして今後にかけては大きな成長分野として見られています。
また、Managed Serviceとは異なりますが、Generative AIをどのように活用するかという点でもパートナーを探す動きがあります。ある調査では、パートナーとして1位はクラウドプラットフォームベンダーでしたが、それに続く2位としてITコンサルティングやSierが求められています。業務効率向上に用いて生産性を上げるのか、ビジネスソリューションに盛り込んでユーザー向けのエクスペリエンスを上げるのかなど、様々な戦略を一緒に立てられるパートナーが求められています。

まとめ

ビジネスを拡大し、CX(Customer Experience)/EX(Employee Experience)を高めるためにもITインフラはどんどん複雑化し、企業はそれに対処していく必要があります。また、Generative AIの登場によるAIやデータ活用の波を上手く乗るためにも、様々な検討が出てきているでしょう。
MINDはITインフラの設計から構築、そして監視・運用までトータルで提供できる会社であり、お客様の課題解決に役立つソリューションをご提案できると考えています。MIND ITリサーチオフィスもお客様に求められるサービスをMINDが提供し続けられるよう、引き続き米国での調査とそれに基づくMINDサービス開発を支援していきます。

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