「労働基準法改正」と「給与デジタル払い」が企業にもたらす影響とは

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2023年8月25日

2023年4月の労働基準法改正により割増賃金率が引き上げられ、給与デジタル払いの運用もスタートしました。ここではそれぞれの変更点・ポイントを紹介するとともに、どのような影響を企業や従業員に与えるのか解説します。また、残業制限や生産性向上が求められる中で、どのような対応策が有効となるのかについても触れていきます。

企業規模を問わず時間外労働の割増賃金率が2倍に

2023年4月に施行された労働基準法改正により、大企業・中小企業を問わず時間外労働に対する割増賃金率が引き上げられました。これまで月60時間を超える残業時間の割増賃金率は大企業50%、中小企業25%でしたが、改正により中小企業も「50%」まで引き上げられます。

深夜労働や休日労働については、これまでの割増賃金率にプラスして割増賃金を支払わなければなりません。例えば、深夜(22:00〜5:00)に残業した場合、「深夜割増賃金率25%+時間外労働割増賃金率50%=75%」で計算します。休日労働については、法定外休日(※)に働くと「法定外休日割増賃金率35%+時間外労働割増賃金率50%=85%」という計算になります。

  • 定休日は、労働基準法35条に基づき、企業が労働者に与えなければならない休日のこと(原則として週1日以上)。法定“外”休日は労使間で、上記に加えて与える休日のことです(例:週休2日制)

また、中小企業庁では、割増賃金率で企業の負担が大きくなる場合に以下のような助成金の活用を勧めています。

  • 働き方改革推進支援助成金:生産性向上による労働時間の短縮に取り組む費用の一部を助成
  • 業務改善助成金:設備投資などで事業場内最低賃金を一定以上引き上げた場合に、その設備投資費用の一部を助成

給与デジタル払いで従業員満足度に変化が生まれる

2023年中には「給与デジタル払い」もスタートします。給与デジタル払いとは、銀行口座ではなく資金移動業者の口座へ給与を支払うことです。この資金移動業者をわかりやすくいうと、「○○Pay」「●●払い」といったデジタル決済サービスを提供する事業者です。

企業は労使間で協定を結ぶことで給与デジタル払いを導入できるようになります。ただし、企業が従業員に給与デジタル払いを強要してはいけません。あくまで給与支払いの選択肢のひとつとして考えるべきです。

給与デジタル払いのメリットは、従業員が銀行口座から現金を引き出さなくとも、電子マネーで各種支払いができるようになることです。もちろん、現金での出金もできます。企業側も銀行口座への振り込みにかかっていた手数料を削減でき、給与の「週払い」や「日払い」にも柔軟に対応できるようになります。

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しかし、給与デジタル払いの安全性に対する懸念もあります。送金サービスを提供する資金移動事業者は、厚生労働省の審査をパスした事業者に限られます。2023年6月時点では対象の資金移動事業者は明らかにされていませんが、厚生労働省の公式ページにて「資金移動業者一覧」が公開される予定です。

また、もし資金事業者が破綻したときには、保証機関から弁済されるほか、不正出金があった場合にも労働者に過失がなければ損失金額を全額保証されるため、現状では安心して給与デジタル払いを選択できると考えられます。

法改正が企業や従業員に与える影響

給与デジタル払いは、労働力確保の面で大きなアドバンテージになります。具体的にいうと、外国人雇用のハードルが下がる可能性があります。外国人雇用が進まない課題のひとつに「銀行口座開設の審査に通りにくい」ということがあります。

給与デジタル払いでは銀行口座を開設しなくとも給与を受け取れるため、外国人雇用の可能性は広まり、送金サービス次第では、外国人が自国の口座に送金するときの手数料も削減可能です。さらには日雇いでのフリーランスの起用なども可能になります。人手不足に悩む企業にとっては、給与デジタル払いが労働力の確保、しいては国際競争力を高めるきっかけにもなり得ます。

また、法改正による割増賃金率増により、企業は人件費を抑えるため深夜・休日労働を含む時間外労働を避けるようになることが予想されます。勤務時間が制限される中でこれまで通りに仕事を進めるためには、さらなる業務効率化を推進する必要があります。

業務効率を高める働き方のひとつに、コロナ禍を背景にオフィスや自宅で場所を選ばず働ける「テレワーク」が普及してきました。さらに昨今では、テレワークとオフィスワークを併用する「ハイブリッドワーク」という働き方にも注目が集まっています。

ハイブリッドワークは、従業員に合った働き方を柔軟に選べ、仕事とプライベートを両立したワークライフバランスが取りやすくなります。企業としてもオフィスの省スペース化で固定費を減らし、通勤費の削減につなげられます。

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労働基準法改正や給与デジタル払いに対応したITインフラを検討中であれば、一度MINDにご相談ください。

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