どんどん身近になっていく?
ネットワークカメラのAIを活用した画像解析の動向

  • #AI
  • #ITトレンド

2023年8月25日

昨今の技術向上により、ChatGPTや自動運転などで最近話題になることが多いAIですが、ネットワークカメラの業界でも、AIを活用した画像解析の実例が増えてきています。本コラムでは、そもそもAIを活用した画像解析とはどのようなことができる技術なのか。そして、市場の動向やネットワークカメラシステムでの画像解析についてご紹介します。

AIを活用した画像解析とは

AIを活用した画像解析とは、コンピュータビジョンとも呼ばれ、コンピュータによる画像の理解と解釈を可能にする技術です。AIが、パターン認識、機械学習、深層学習などの手法を用いて、画像内の特徴や構造を抽出し、意味のある情報を得ることができます。AIを活用した画像解析には、次の3つの代表的な機能があります。

  • 画像分類

    画像分類とは、画像に写っている物体が何かを判断します。

    画像をピクセル単位で抽出し、それぞれの特徴をとらえて何が写っているのかを分類します。

  • 画像検出

    画像検出とは、画像に写り込んでいる物体が、どこにあるのかを識別します。

    自動で被写体を認識し、バウンディングボックスという四角形の枠で対象を囲みます。

    また、枠で囲んだ対象物が、何であるのかを検出することも可能です。

  • 画像セグメンテーション

    画像のどの部分に何が写っているのかを検出します。

    画像検出と似ていますが、セグメンテーションではピクセル単位で対象物の境界を分けられます。

例えば、身近なところではデジタルカメラやスマートフォンで人の顔を検出し、顔にピントを合わせることができるのは、画像検出の技術が使われているからです。

AI・画像解析の市場動向

AIを活用した画像解析は、とてつもない速さで進歩しています。数年後には、私たちの想像がつかないような用途にも使われているかもしれません。デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社によると、AI・画像解析の市場規模は、2026年度には1,100億円に達すると予測されており、年平均33.4%増と急成長していくといわれています。これだけ市場規模が大きくなるということは、将来的に私たちの生活と密接に関わるものになっていくことが予想されます。身近なところで活用される機会が増えることによって、私たちの日々の仕事や暮らしがさらに便利になるといいですね。一方で、身近になることにより、自分の行動を知らない間に撮られたりするのはちょっと心配になる人も多いと思います。このような防犯以外の商用目的でのカメラ画像の活用については、経済産業省・総務省から「カメラ画像利活用ガイドブックver3.0」が公表されています。このガイドブックには、カメラ画像を利活用するにあたり、国内外の動向を踏まえ、改正個人情報保護法との関係から対応すべき点や、プライバシー保護について注意喚起すべき点などの事業者が配慮する事項が整理されています。こういった政府の取り組みがあると安心できますね。

ネットワークカメラシステムでの画像解析

ますます発展が期待されるAIを活用した画像解析ですが、MINDが関係するネットワークカメラシステムでもAIの活用が増えてきています。例えば、ネットワークカメラの代表的な用途となる監視・防犯でもAIを活用した画像解析が使われはじめています。従来は、警備員が監視カメラの映像を常に目視で監視する運用をしていましたが、現在は、監視カメラの映像をAIが画像解析することにより、人物検知や不審行動検知が可能になってきています。今まで目視で監視していた業務をAIが検知し知らせてくれるので、対応の迅速化や省人化に貢献できるようになってきています。

このようなネットワークカメラシステムでのAIを活用した画像解析システムは、大きく分けて次の3つの方式があります。

  • エッジ型

    ネットワークカメラにAIプロセッサーを搭載し画像解析をカメラ自身で行います。比較的安価に利用できますが、高度な解析や解析結果の見える化に課題があります。

  • オンプレミス型

    ローカルサーバーにAIソフトを組込み、画像解析を行います。高度な解析やお客様の用途にあった検知を個別にシステムアップすることができますが、サーバー本体やAIが学習する費用が高額となります。

  • クラウド型

    クラウド上にAIソフトを組込み、画像解析を行います。エッジ型よりは高度な解析ができるサービスが多いですが、カメラはネットを介し映像をアップロードすることになるため、通信費用やサービス利用料が必要となりエッジ型と比べてコストがかります。

イメージ01

図表の出典元
公益社団法人 日本防犯設備協会 調査研究報告書「画像解析とAIを活用した防犯カメラシステム」(P49)
https://www.ssaj.or.jp/jssa/pdf/2022_ai_01.pdf

AIを活用した画像解析システムを選ぶには?

前述したようにネットワークカメラシステムでのAIを活用した画像解析システムは、複数の方式があり各方式によって、メリット・デメリットがあるため、どの方式が自社にとって適しているか、用途と共に検討することが必要となります。さらに、AIの分野はスタートアップ企業の参入が多く、ネットワークカメラメーカーと協業してサービス展開する事例も増えています。そのため、サービスの多様化により何が本当に必要なのか悩まれる方も多いと思います。MINDの「ネットワークカメラ用録画・配信サーバー「ネカ録」」は、複数のAI機能を搭載したネットワークカメラのサポートやネカ録APIで複数の画像解析のソリューションとも連携しており、様々な方式のAIを活用した画像解析システムに対応が可能です。2005年発売開始から長年培ってきた実績もございますので、是非お気軽にご相談ください。

  • ChatGPTはOpenAI OpCo, LLCの登録商標です。

関連サービス

MINDメールマガジン
「With MIND」ご案内

三菱電機インフォメーションネットワーク(MIND)が、多くのお客様の声にお応えして、メールマガジンを始めました!
MINDメールマガジン「With MIND」は、最新トレンド、新製品・サービスなど広いテーマ情報をお届けします。
きっとお客様の仕事の質の向上に繋がる気づきがありますので、ぜひご登録ください。

  • MINDが行う、オンライン/オフラインのイベントやセミナーの開催情報をいち早くご案内いたします。

  • MINDの製品・サービスのご紹介や、新製品のリリース案内、キャンペーン情報などをご案内いたします。

  • 市場トレンドや、業務改善のポイントなど、今知っておきたい情報をお届けします。
    ひと息つけるコンテンツも!