DX人材不足が経営リスクになる時代に備えた準備とは

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2023年2月24日

テクノロジーの進化が加速しています。しかし、依然としてIT人材不足は解消の兆しが見えてきていません。クラウドシフトの動き、ブロックチェーンを含めたWeb3.0、スマートファクトリー構想の実現などが企業で注目を集める中、エンジニアのリスキリングも含めた抜本的なITの取り組みが必要になっています。ここではDX人材の不足に焦点を当て、その解決策を提案します。

人材不足の深刻化でDXが停滞

経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」にて「2025年の崖」が大きな話題を集めました。これは、レガシー化・ブラックボックス化した既存システムが企業に残っている場合に、国際競争に大きな遅れを取ってしまい、年間で最大12兆円の経済損失が生じる可能性を示唆するものでした。その解決策として提示されたフレーズがDXであり、変化に追従できるITシステムの構築やテクノロジー活用による高収益ビジネスの創出が必要であると示されました。

また、2022年7月には、最新版として「DXレポート2.2」が発表され、日本企業のDX推進をさらに加速させるべく、「デジタル産業宣言」を公表。さらに2022年9月、経済産業省は、経営者にDXへの自主的な取り組みを促すべく、デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定・公表を求める「デジタルガバナンス・コード2.0」を策定するなど、国を挙げてDXに注力しているのが分かります。

このように、すでにDX実践の波が到来しており、その旗振り役となるDX人材が、多くの企業で強く求められています。しかし、総務省が2022年7月に公表した「令和4年版 情報通信白書 第2部 情報通信分野の現状と課題」によると、日本企業の約6割がDXの課題として人材不足を挙げるなど、変革の原動力である“人”が圧倒的に不足しているのが現状です。

イメージ:DX
人材不足の深刻化が進んでいる

人材不足の深刻化が進んでいるのが分かる

IT人材の確保で新しいテクノロジートレンドに備える

DXレポートが意図するレガシー化した基幹システムのクラウドシフトは、DX推進における主要な選択肢の1つです。クラウドシフトの必要性は10年以上前から叫ばれていましたが、DX人材がいないばかりにリフト&シフトが進まないケースが多く見られます。

ここ数年で注目度が急速に高まったテクノロジーへの対応も検討しなくてはなりません。例えば、Web3.0もその1つです。Web3.0とは、従来の中央集権的なプラットフォームから脱却した次世代の分散型インターネットです。Web3.0は、個人間で相互に接続しあうP to P(ピア・ツー・ピア)を基礎としており、個人がデータを保持する構造となっているため、安全性や信頼性を確保する手段として偽造や改ざんが極めて困難なブロックチェーンが採用されています。ブロックチェーンの認証技術を生かしたNFT(非代替性トークン)の仕組みによってデジタルデータに固有の価値が付くようになるなど、新しいコミュニティが生まれる可能性があります。

ブロックチェーンは、大量のトランザクションを処理できないスケーラビリティ問題、多数決方式での承認という特性を逆手に取って悪用を行う51%攻撃など、数々の課題が指摘されているものの、未来のビジネスを変革する技術であることは間違いありません。これに対応するには、IT人材が必須になります。

  • 51%攻撃:ブロックチェーンにおける承認アルゴリズムの脆弱性を利用した攻撃手法。悪意のあるグループまたは個人により、ネットワーク上の計算量の51%以上を支配すれば、取引を不正に改ざんできるようになってしまう。

そのほか、セキュリティー領域も年々高度化しており、新しいセキュリティー概念として、すべての通信を信頼せず安全性や信頼性を検証する「ゼロトラスト」への注目度も高まっています。当然のことながら、それに対応するためには、セキュリティーの知見を持つ人材の確保も必要になります。

スマートファクトリー化をリードする人材が必要に

ドイツが打ち出した産業政策「インダストリー4.0」の流れを受け、日本でもスマートファクトリー化の必要性が叫ばれるようになりました。経済産業省でも、IoTやAI、ビッグデータ、ロボットを活用し、エンジニアリングチェーンやサプライチェーンをネットワーク化、自動化、最適化することで、生産プロセスの効率化や新たな付加価値の提供などを推進しています。

つまり、これまでネットワークにつながっていなかったOT(制御・運用技術)をインターネット経由で分析ソフトウェアなどのITにつなぐことで、モノづくりを革新しようとする計画です。これを実行するには、ITとOTの統合をリードできる人材が欠かせません。また、2022年にはパイプラインや日本の中核的なメーカーがランサムウェア攻撃を受け、操業停止を余儀なくされるといセキュリティー事故が多発していることから、OT課題を共有できるセキュリティー人材の確保も必要になってきます。

リスキリングでDXに対応する人材を育成

上述した取り組みを実現に移すべく政府は、人材のスキルを再構築する「リスキリング」に注力すると発表しています。2022年6月には「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を閣議決定し、同年10月に実施した10回目の新しい資本主義実現会議では、「労働者に転職の機会を与える企業間・産業間の労働移動の円滑化432KB」を強調。成長分野に人材をシフトさせるためにリスキリングを進めるとしています。

特に個人のリスキリングに対する投資策として、5年間で1兆円の施策に拡充するとしています。また、デジタル人材を現在100万人から、2026年度までに330万人に増加させるなど、多くの企業がDX加速に向けてリスキリングに取り組み始めています。

パートナーとの協業でDX領域にリソースを配分

ここまで見てきたように、DX実施は待ったなしの状況であり、その原動力となる人材確保が不可欠です。経験者の採用やリスキリングはもちろん重要ですが、必要スキルを持った人材をすべて自社で確保することは難しく、専門知識を持つ外部のパートナー企業の力を借りるという選択肢も有効です。

三菱電機インフォメーションネットワーク(MIND)では、ITインフラやセキュリティー、ITとOTの統合などにおいて、長年の実績とノウハウに基づいた解決策を提供できます。

具体的には、クラウドサービス分野、ネットワーク、セキュリティー、アプリケーション、人材育成やアウトソーシングのサービスにより、金融、流通、サービス、情報通信、製造、医療・医薬など、様々な業態の企業への支援実績があります。

例えば、金融分野のお客様へのスマートワーク推進、流通分野では販売戦略を支える分析システム、サービス業のお客様へのゼロトラストセキュリティー支援、製造分野ではグローバルIT基盤構築やWebサイトの監視、運用サービスなど多岐にわたります。

パートナーの力を借り安定した事業基盤を確保することで、より戦略的な領域に自社リソースを傾けられるようになります。DX実践を円滑に進めたいと考える企業は、MINDをはじめとするパートナーとの協業を考えてみてはいかがでしょうか。

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