海底データセンターはもう過去の話!?宇宙・月面データセンター等、最新データセンター事情。地球の民にとって真に必要なデータセンターの選び方とは!?

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2022年7月22日

海底データセンターの話題は今や古い!!宇宙・月面データセンターをはじめとした世界の最新データセンター事情をお伝えします。
また世界基準をもとにしつつ、独自の地理事情・技術水準によって発展した日本のデータセンター事情と、性能指標数値に惑わされない、真にお客様にとって必要なデータセンターの選び方を追求します!!

海底データセンターの話題は今や古い!!宇宙・月面データセンターについて

今年も暑い夏がやってきましたね。

夏になるとよく海水浴に行くのですが、海を見るとデータセンター(以下DC)の営業マンの私は、マイクロソフトの海底データセンターの実証実験の話を思い出します。2014年に概念実証、2018年春に水深117フィートの海底にNorthern Isles DCを設置し、サーバーの性能と信頼性を2年間監視し2020年に引き上げています。水中での故障率は地上の場合と比較して8分の1で、地上のDCに展開できるノウハウやDC持続可能性戦略の反映など面白いレポートがマイクロソフトの公式HPにも掲載されていますので、ご興味ある方は見て頂ければと存じます。
海底データセンターの話も当時はここまできたかと思っていましたが、2020年に入ると宇宙・月面データセンターの話題がでてきました。例えば、国内では2021年にNTTが人類史上初という「宇宙データセンター」の実現に向けて動き出すほか、海外では2022年4月にアメリカのスタートアップ企業(急成長組織)が、月面に建設したデータセンターに地球上の重要なデータを保管する計画を発表。すでに国際宇宙ステーションを使ったデータ送受信テストに成功し資金調達を達成、さらなる資金を調達するべく、NASA(National Aeronautics and Space Administration)が出資する航空宇宙企業と共同で「月着陸船を使ってソフトウェアとハードウェア両面での概念実証実験」を行う契約を締結しています。

イメージ:データセンター

「国内のデータセンター事情

宇宙・月面データセンターは、地球観測衛星のデータ取得の即時化、究極の災害対策、エネルギー活用などの夢のある壮大な計画です。一方で、気温・宇宙線といった様々な課題もありもう少し実現まで時間がかかりそうです。
そのため、もう少し身近な話題として、国内の最新データセンター事情について話します。
まず市場全体の規模感としては2025年には3兆円を超す規模になると予想されています。この中でも成長を牽引しているのはIaaS(Infrastructure as a Service)/PaaS(Platform as a Service)となっています。一方、お客様の機器を預かるようなデータセンター利用、ここではハウジング(基本)としていますが、微増という扱いとなっているのが現状となります。

またデータセンターは、エンタープライズデータセンター、コネクティビティデータセンター、ハイパースケールデータセンター、エッジデータセンターの4つに分類されます。各分類に応じた需要があります。例えば 当社はエンタープライズデータセンターとコネクティビティデータセンターの要素も兼ね備えたデータセンターです。エンタープライズデータセンターは都市部ロケーションのデータセンターの需要が高く、コネクティビティデータセンターとしては大手町品川などで需要が高いものの、建設可能な土地がほぼないため新規に供給が難しい状況にあります。
データセンターを運営する各社それぞれのロケーションを活かしつつ、様々なサービスを組み合わせデータセンターとしての付加価値を向上させています。

データセンター種類

日本独自のデータセンター判断基準としてのJDCCティアレベルについて

それでは、数あるデータセンターの中でどう選ぶのかというと、その指標として、データセンターファシリティスタンダードがあります。これは、米国で始まったティアという信頼性基準を、電源・地震リスクなどの日本の独自事情などを考慮し、日本データセンター協会(JDCC)が制定したものです。

データセンターのファシリティに求められる信頼性確保に対して、最低限必要と考えられる項目「基準項目」と、信頼性確保のために採用が望まれる項目「推奨項目」に分け、規定しています。

本基準の運用に当たっては、「基準項目」については、「ティア1」〜「ティア4」の各レベルで規定されている全ての評価項目に対して満足させることが必要です。また、推奨項目については全ての基準を満足させる必要はなく、各データセンターが求める信頼性に応じ、必要と考える基準を任意に選択してよいものとしています。

JDCCのサイトに、この基準を策定した背景や各社データセンターのティアレベルが公開されていて簡単にチェックが可能ですので、お時間がある際に見ていただくと良いと思います。

真に必要なデータセンターとは。数値には図れない価値がある!!

ということは、最上級のティア4のデータセンターを選べばいいのね?と考える人は少なくありません。

データセンターは不動産賃貸に例えられますが、ティア4のデータセンターはスペックの高い新築高層マンションを高額な家賃で借りることに似ています。営業マンのお勧めのまま、新築高層マンションを賃貸するのは企業のIT投資としては正しいのでしょうか?

例えば、UPS(Uninterruptible Power Supply)の冗長性についてN+2系統をティア4、N+1系統をティア3としていますが、日本の場合、電力会社の品質も良く、設備の可用性も高いためN+2までは不要、N+1系統があれば十分です。
JDCCリストを見ていただけるとわかりますが、日本の多くのデータセンターはティア3相当となっているのが現状です。ティア4のデータセンターを作るために高額な投資を行うよりも、ティア3相当でお客様が利用しやすいデータセンターのほうがニーズがあります。

弊社データセンターもティア3であり、都内でも特に使いやすいデータセンターだと自負しております。宇宙・月面に進出する予定はしばらくありませんが、身近なところで皆さまのお手伝いをいたします。

NTTは日本電信電話株式会社の登録商標です。

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