マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになります!

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2021年3月26日

2021年3月から、「マイナンバーカード」が健康保険証(以下、保険証)として利用可能になる予定です。これにより、医療機関はマイナンバーカードのICチップまたは保険証の記号番号等を使って、医療保険の資格が正しいものかを、オンラインで確認できるようになります。今回はマイナンバーカードの保険証利用やオンライン資格確認の仕組みの概要や、患者および医療機関の双方のメリット、オンライン化の今後について解説いたします。

マイナンバーカードが保険証に

これまでマイナンバーカードを利用して、国税電子申告・納税システム(e-Tax)による確定申告や特別定額給付金の申請、マイナポイントの申し込みなどをされたことのある方もいらっしゃると思います。以前は動作環境としてパソコンとICカードリーダーが必要でしたが、スマートフォンだけで利用可能になったことで随分使いやすくなったと思います。
マイナンバーカードの保険証利用については、「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」(令和元年5月22日公布)で定められました。マイナンバーカードの普及と利活用の促進策の1つで、2022年度中にほとんどの住民がマイナンバーカードを保有することが想定されています(「マイナンバーカードの普及とマイナンバーの利活用の促進に関する方針」(令和元年6月4日、デジタル・ガバメント閣僚会議)より)。
利用方法は医療機関や薬局でマイナンバーカードを顔認証付きカードリーダーにかざし、医療保険の資格確認を行います。

マイナンバーカード

医療保険の資格確認がスピーディーに

医療保険のオンライン資格確認とは、マイナンバーカードのICチップまたは保険証の記号番号等により、医療保険の資格をオンラインで即時確認できることをいいます。資格確認端末、顔認証付きカードリーダー、通信環境などを導入いただいた医療機関や薬局にて実施可能となります。厚生労働省は2021年3月の開始時点で6割程度の医療機関・薬局における導入を目指し、導入を支援しています(令和元年9月3日、デジタル・ガバメント閣僚会議)より)。

  • 資格確認端末の導入やマイナンバーカードの保険証利用は任意です。資格確認端末を導入されていない医療機関や薬局では、これまで通り保険証で受診可能です。

マイナンバーカードを保険証として利用できる医療機関や薬局の受付方法は、

■マイナンバーカードの場合

  • 顔認証付きカードリーダーまたは目視による本人確認 または
  • 暗証番号(4桁)による本人確認

■保険証の場合

  • 保険証の記号番号等を入力

となります。その後、資格確認端末から支払基金/国保中央会のシステムに照会し、患者の資格情報が取得・取り込まれます(図参照)。

マイナンバーの保険証利用

マイナンバーカードを保険証として利用するメリット

マイナンバーカードを保険証として利用することにより、医療機関・薬局、患者の双方で便利になると思われます。
医療機関や薬局では事務手続きが簡潔になり、コスト縮減が見込まれます。オンライン資格確認の際に患者の資格情報として資格の取得・喪失日の他、氏名や生年月日、被保険者番号等が資格確認端末に取り込まれます。これらの情報は資格喪失後受診に伴う保険者・医療機関等での請求確認等の解消や、レセプトコンピュータや電子カルテなど院内システムとのデータ連携による入力の負担軽減を実現できます。
また患者にとっては転職・結婚等ライフイベント時に新しい保険証の発行を待たなくてよい、特定健診結果や薬剤情報を照会できるようになる、マイナポータルからe-Taxに連携し確定申告が簡単になる、といったことが可能になります。特定健診情報と薬剤情報については、患者の同意を得たうえで医療関係者に提供可能で、さらに多くの情報をもとに診療を受けることができるようになります。

医療オンライン化の未来

今後、国として医療ITをどのように進めようとしているか、厚生労働省が掲げている「データヘルス集中改革プラン」を例として解説します。

厚生労働省「新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プランについて」(令和2年7月30日)

URL :https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000653403.pdf1.62MB

データヘルス集中改革プランは、以下3つのACTIONを、2020年7月から2年間で集中的に実行するプランです。

ACTION1:全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大(2022年夏)

ACTION2:電子処方箋の仕組みの構築(2022年夏)

ACTION3:自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大(2022年)

自身の健康情報等は、これまで複数の機関(学校、自治体、保険者等)で管理され、また全ての情報が電子化されてはいないため、ワンストップでのアクセスや、災害等での紛失リスクがあります。
これらをデータ化し、マイナポータル等を通じて、自身の保健医療情報をパソコンやスマートフォン等で閲覧・活用が可能になります。

このように、国として、オンライン資格確認等システムを有効活用し、マイナンバーカードを利用した医療情報共有の仕組みを拡大することが検討されており、今後私たち国民に対して必要な情報を必要な時に取得できる仕組みが広がる可能性があります。
プライバシー保護やセキュリティーに十分配慮した上で、医療情報の迅速かつ効率的な利活用が期待されます。

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